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ここは、「Luftleitbahnen」の別館です。
Fan Fiction Novel-二次創作小説-を置いてあります。
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季節ネタが書きたい!そう思って即興で書いてた作品でした(汗)。
なんだかんだと初めてオールキャストですが・・・わかりづら!!。
元々時事ネタとか苦手なんで(だったら書くなと小一時間)・・・
まぁ、ギャグですので。ご容赦ください。
暗い話が多いのでたまにはこんな明るいのもいいよね?ね?はは、ははは
※これは2003年のクリスマスの作品です。

∞―――――――――∞ Noel   ∞―――――――――∞



ドアを開けたその瞬間

飛び込んできたのは軽い既視感



夜の闇に沈んだ部屋で

それは一瞬輝いて見えた



テーブルの上で澄ましている
小さく控えめな白い箱


赤と緑のリボンが踊る

小さく控えめな


白い箱




-----------



「だぁぁ、ラムネス!これはどうゆううことだよ!!」
「だからさぁ、この時期にそんな可愛い子が一人で居るってのがなぁ・・・ありえないんだよなぁ」

地団太を踏み今にも掴みかかってきそうなダ・サイダーに、しかしラムネスは頭を掻きながら溜め息混じりに呟いた。

「みんなコブ付きばっかじゃねぇかよ!!折角レスカの目を盗んでこっちに来たってぇのに俺様は納得いかん!」

ラムネスの呟きなど耳に入らないダ・サイダーは、あたりを見回しながら未だに叫びを上げている。
羞恥心というものが欠如している二人にとって回りの視線は気にならなかったが、ラムネスは再び溜め息をついた。

「今はクリスマスだって言ったじゃんか、フリーの子なんてほいほい居ないんだって」
「なんだよ、その「苦しみます」ってのは?」

一頻り吼えて落ち着いたのか、ようやくラムネスの言葉が耳に入ったらしいダ・サイダーは不満顔を軽い疑問顔に変えながらそれでもまだ回りに視線を巡らしている。

「・・・それ、・・・駄洒落じゃないよな?・・・あんまりにもお約束過ぎて笑えないって・・・」
「あん?俺様の素晴らしき駄洒落がわからんだと!?いい度胸じゃねぇか、ラムネス」

ジト目でダ・サイダーを見たラムネスに、ダ・サイダーも「笑えない」の一言に半眼を返す。
しかし、そんなダ・サイダーにラムネスはふと何かを思い出すと、今にも戦闘体制に入りそうなダ・サイダーを制して尋ねた。

「そんなことよりダ・サイダー、お前レスカにプレゼント買ったのか?」
「そんなこととはなんだ!俺様のダジャ・・・・ってプレゼントだと?なんで俺様がレスカにプレゼントなど買わねばならんのだ!!・・・・(誕生日でもあるまいし)」

後半の語尾はほとんど言葉になっていなかったが、ダ・サイダーのその答えに、ラムネスは一瞬ニヤリと意地の悪い笑みを浮かべると、次の瞬間には心底哀れむような顔をダ・サイダーに向けた。

「よ~く聞けダ・サイダー!お前は知らないかもしれないけどな、このマジマジワールドじゃぁ12月25日をクリスマスって言ってさ、この世界で告白した奴はその相手にプレゼントを渡さないと・・・・・・・」
「わ、渡さないと何だよ」
「一生尻にしかれて頭が上がらなくなるという恐ろしい呪いがかかるんだ!!・・・・・お前、裏三姉妹の時思いっきり告ったろ?」
「ぬぁ・・・ま、マジかよ?それ・・・・いくらなんでも、お前それは・・]

「尻に敷かれる」が効いたのか、「告った」が効いたのかは分からないが、否定の言葉を口にしながら額に冷汗を浮かべるダ・サイダーに、ラムネスの目尻には内心の腹がよじれるほどの笑いをかみ殺すの為に溢れた涙が滲む。

「ほんとだって!俺だってミルクにちゃんとプレゼント買ったんだぜ。ほら、回り見てみろって、みんな男がプレゼント買ってるだろ?こっちの世界も色々と大変なんだぜ・・・ほんと」

笑いを堪えた涙を哀しみの涙と勘違いしたダ・サイダーは、見回したカップルの持つ包みにも誘発され、さらに顔を青くしていく。

「・・・わ、わりぃラムネス・・・俺様は急用を思い出した・・・・じゃぁな!!」

顔の青さと滝のような冷汗がピークに達した時、ダ・サイダーはそれだけ言うと風よりも早くその場から走り去っていった。

取り残されたラムネスは、その後姿が見えなくなった頃、笑いすぎてひきつけを起こし、あわや救急車に乗るところの騒ぎとなったのであった。







「おねぇさま。知ってる?」
「なぁに?今忙しいの・・・見てわかんない?ってか、あんたも食べてるだけなら手伝いなさいよ」

右手に下げた籠から、一杯に詰まったバケットを次々に口に放りこみながら、ミルクは机に向かうレスカに問い掛けた。
レスカはそんなミルクの言葉に気の無い返事を返しながら、次々と書類を片付けていく。

年末ともなれば、やる事は普段よりも3割増である。
今年の決算報告のまとめから、新年の式典の準備、各国への挨拶状や使節の手配・・・等々。
曲がりなりにも大蔵大臣の名を拝命しているレスカにとって、それは11月の初めに入った頃からじわじわと押し寄せてきていた怒涛の政務の山場であった。

「んもう。クリスマスよ!ク・リ・ス・マ・ス!!・・・・でも素敵よねぇ♪ふふ、ラムネス何くれるのかなぁ?」

相手にしてもらえないことに半ば口を尖らせながら、しかしミルクの思考はいつのまにか自己完結陶酔モードに入っていく。
そんな妹にレスカは相変わらず書類の山と格闘を続けながらも、うんざりとした声を出した。

「あのねぇ、惚気るなら別の場所でやってくれない?クリスマスだかなんだか知らないけど、こっちは仕事だけで手一杯よ。」

レスカの冷めた声に現実に引き戻されたミルクは、当然面白くないとばかりにバケットを口元に運ぶスピードを上げるとレスカを睨みつけた。

「なによ~、おねぇさまの意地悪!クリスマスっていったらマジマジワールドじゃぁそりゃ大事なイベントなのよ!!それにおねぇさまだってダ・・」
「はぁ・・・いい?ここはマジマジワールドじゃなくてハラハラワールドなの。そして年末。やることは掃いて捨てるほど山積みなの。わかったら手伝うか邪魔しないで頂戴。お願いだから。」

ミルクの言葉を遮って机の上の書類の山を一頻り視線で示しながら、レスカは溜め息をついてミルクを見た。
実際かなり疲れがたまっているのは見て分かるレスカの顔に、しかしミルクも折角良い事を教えにきたつもりで居た分だけどうしても憤ってしまった。

「ふ~んだ、わかりましたよ~だ。あっち行けばいいんでしょ。いいもん。その代わりおねぇさまもダ・サイダーにプレゼントの一つもやらなきゃサンタクロースに呪われちゃっても知らないからね!!」

ミルク自身よく分からない捨て台詞を吐きながら、空になった籠を手にするとそのまま勢いよくレスカの部屋を飛び出していた。

取り残されたレスカ自身は、部屋の中で呆然とそれを見送りながら、ただぼんやりと頭に残ったミルクの捨て台詞に引っかかっていた。


「誰よ、三太久楼州って???」







-----------



「あ」
「お」

そんな間抜けな第一声で二人が出会ったのは、アララ城の一角であった。
幸い(?)にも回りに人影は見えない。


レスカは思いがけずに出会ったダ・サイダーの胸元で、銀の輝きが揺れているのを見つけるとついつい視線が釘図けになるのを止められなかった。

燻した銀の落ち着いた輝きが磨いていない紅玉の原石を絡み取ったシンプルなデザイン。
蒼い髪と翠の瞳に映えて、単品で見た時よりも数倍の輝きを放っている。

(やっぱあたしの見立てどおりじゃない。ふふ)

思わず笑みがこぼれそうになるのを必死で堪えながら、でも何よりソレをダ・サイダーが身につけてくれている事がレスカは純粋に嬉しかった。



一方ダ・サイダーも同じようにレスカの耳元に視線を奪われていた。

プラチナに支えられたティアドロップ型のホワイトサファイアのピアス。
金糸の髪を透かして色を変えて柔らかく輝くソレはまるであつらえたようにその場所に収まっていた。

(悪くねぇな。へっ)

見とれそうになるのを自制しながら、レスカがそれを気に入ってくれているのが(気に入らなければ絶対に付けたりしないことは百も承知である)ダ・サイダーには素直に嬉しかった。


「へ、変な顔で俺様を見るんじゃねぇよ!」
「し、失礼ね!それ言うならあんただって人の事ジロジロ見るんじゃないわよ」
「けっ人様に見せられるような顔じゃねぇってか。よく分かってんじゃねぇか」
「なんですって!!あんたこそよく人前に出れるわね」
「あんだと!」
「何よ!」

お互い自分の不自然さを隠そうとする手段がいつもの喧嘩に流れかけた時、それに割り込んできたのは意外な声だった。

「あらあら、お二人とも~、こんな所で何なさってるんです~?」

どうみてもジャンク品と思しき品を山と抱えたココアが、二人の背後から廊下をこちらに向かってくる所だった。

「相変わらず仲がおよろしいですわねぇ」

先ほどの言い合いなど耳に入っていなかったのか、マイペースに二人を交互に見てから、ココアは更にニコリと微笑んだ。

「クリスマスのプレゼントですか?流石ですわねぇ。」

「う」
「い」

途端に動揺する二人の姿も気にすることなくココアはのんびりと言葉を続けた。

「恋人同士プレゼントを贈りあってお祝いの言葉と共にお互いの幸せを願うなんて、なんだかんだと本当に仲がよろしいですわね。」

「なんだと!?」
「なんですって!?」


意味を履き違えていた事など知りもしなかった二人にとって、ココアの言葉はまさに寝耳に水だった。
見詰め合って凍りついた二人に、ココアはようやく疑問顔を浮かべた。

「あら?どうしました~。二人とも」

「ラ・ラ・ラムネスの野郎!!!!!」
「ミ・ミ・ミルク!!あのこったら!」


「あらあら~。困ったものですわねぇ。二人ともなんて言われましたの?」

騙されたらしい二人に、苦笑というよりも楽しそうな笑みを浮かべながら、ココアが尋ねた。

(い、言えねぇ・・・)
(い、言えない・・・)

黙って俯いてしまった二人に、目を細めるとココアはもう一度繰り返した。

「本当に、仲がよろしいですわね。あぁ、そうそう本当のお祝いの言葉はこう言うんですわ。もし良かったら覚えていてくださいな~」

そう言ってココアがその場から消えた後、二人は再びお互いを見ると堪えていた笑いを吐き出すのであった。


「あんた、一体ラムネスになんて言われたのよ!教えなさいよ」
「そっちこそ、ミルクに何て言われたんだよ。そっちが教えなきゃ俺様だって教えん!」

「けち臭いわねぇ、まぁいいわ。この続きはまた今夜って事にしてあげる」
「けっ、人のこと言えるかよ。仕方ねぇからつきあってやらぁ」

執務を告げる鐘の音にレスカがそう言って見上げてきたのを、ダ・サイダーもまた見返して、もう一度笑うとお互い別の道へと姿を消した。







-----------



理由なんてものは本当は関係なんて無い


そんなものはただのきっかけ



君に似合うもの


君にあげたいものは星の数だけ・・・・



さぁ、その扉が開いたら

一つ目の贈り物を君に




Merry Christmas!






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