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ここは、「Luftleitbahnen」の別館です。
Fan Fiction Novel-二次創作小説-を置いてあります。
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ダーが全く出てこない(汗)・・・・というかダーレス?
う~ん。全くもって、なんでこうなったんだろう?私にもわかりません。
しかも前後編になってしまったよ。後編?ダー?出る・・・かな?
ちなみに今回のオリキャラは結構気に入ってるので、名前を付けてあります。
上手く書けたら後編で出せるかな?まぁ出した所で意味は無いんですが・・・
というかね・・・・何を書きたいんだ?私・・・・


∞―――――――――∞ Panorama  ∞―――――――――∞



風になびく金糸の髪は、まるで音楽でも奏でているようだと思った。
夕焼けよりも艶やかな瞳は、炎よりも優しく暖かかった。


「お返事を・・・致しますわ。」

陽光を背に佇むその姿に目を細めながら、ひどく動悸がするのが自分でもわかった。


「私ごときにあのようなお申し出、本当に身に余る光栄です。
正直、とても驚きましたけれど・・・・でも・・・・」

躊躇うように一瞬目を伏せた彼女だったが、
次の瞬間には意を決したようにこちらを真っ直ぐに見つめてくる。


「貴方となら、同じモノを望み、同じ明日を求めていける

共に同じ道を歩いていくことができる・・・・

貴方となら・・・・そう思います。王子」


そう言って微笑んだ彼女の顔は、今まで見たどの笑顔よりも美しかった。



 
-----------



「結婚していただけませんか?姫」


ワルツを踊るその耳元に囁きかけられた言葉。
それはまるでいたずら好きの春風のようだった。

一瞬で通り過ぎながら、しかし完全に意識をも連れ去っていく音の波。

呼吸が身体が止まらなかったのは、一重に相手のリードの為か、ただの惰性の産物でしかなかっただろう。


レスカは思わず目前で困ったように笑んでいる男を見上げた。

綺麗な紺碧の瞳と灰蒼色の髪が、流れるピアノに合わせて揺れている。

いつも不思議とその瞳に落ち着くものを感じていたことをレスカは思い出す。


(アイツの髪と同じ色だから?)


麻痺した思考がぼんやりとそんな事を考えた時、レスカの動きはようやく止まっていた。


曲が止んだのだった。



「すみません、突然。
・・・・・風にあたりましょうか?姫」


やはり少し困ったような声で、男はその手を差し出した。

レスカはまるで全てがプログラムされたオートマータのように、無意識に自分の手を相手のそれへと重ねる。

男は、そんなレスカにようやくホッとしたのか穏やかに微笑んだ。






マジマジワールドからは程近いシュワシュワワールドの第一王子。


ようやく冷静に物事を考えられる状態になったレスカが、頭の中でそれを確認した時、そこはすでに城の庭園の噴水の前だった。
夜の闇の中、程よい照明に彩られた変幻自在の役者達が幻想的なダンスを踊っている。
大広間から零れ落ちたピアノの旋律は、風に乗って耳をくすぐる。


「本当に、すみませんでした。あのような場で・・・
軽率な行動でした。姫。お許しを」


そういって頭を下げる男に、レスカは困ったように微笑んだ。

「いえ、私の方こそ申し訳ありません・・・・その、取り乱してしまって」

別に叫んだわけでも、暴れたわけでもなかったが、一時とはいえ放心した自分をレスカは悔やんだ。
いつ何時でも「カフェオレ」としての責務が政務中にはある。
あまりに突然の告白に驚いたとはいえ、自分がそれを放棄した事が許せなかった。


そんなレスカの心中とは裏腹に、男は真摯な眼差しをレスカに向けた。

「・・・ですが、どうかそれもこの想いの故と知っていただきたい・・・

私は、本気です。姫」


「王子・・・」


いつもの通りに振舞えば言い。
そう軽く考えていたレスカだったが、男の真っ直ぐな視線を受けた時、それ以上自分が何を言えばいいのかが分からなくなってしまった。





正直、話の合う男だとは思っていた。

そつのない身のこなし、頭もキレるし教養もある

何より、そういった美点に全く嫌味を感じさせない辺りは流石といってもいいほどで、だからこそ、仕事の上でも良い外交関係を結べていたし、少なからず好感を持ってはいた。

これからもより良い付き合いをしていきたいとも。

でも・・・・・それはあくまで仕事の話。


レスカ自身はずっとそう思っていた。


そう思ってしかいなかった。



確かに、これまでにもお見合いだの告白だのは掃いて捨てるほどあった。

なにせ「カフェオレ」はアララ王国の第一王女。
国付き、美貌(自称)付き、名誉(世界を救ったと言う歴然たる事実)付きの3拍子なのである。

それを王侯貴族のみならず、全世界が見逃すはずは無い。

とは言ったところで、その実国内であれば城中の者が公然の秘密として黙認していることがあったし、お見合い希望についてもなんだかんだと気を利かせたヨッコーラ3世が体良く断っていた。
(ココアにはそうでもなかったらしいが)

まぁ、そこからこぼれて擦り寄ってくる相手がいなかったかと言われれば、それは確かに皆無ではなかったが、そこはそれ百戦錬磨のレスカである。
男の扱いはよく分かっていた。

分かってはいたはずなのだが・・・


レスカに判断を鈍らせたモノ、それはこの男の見ている自分だった。


(この人・・・本気だわ)


レスカの目に映った相手が見ていたもの。

それは確かに自分だった。

表向きの仮面ではない。
「カフェオレ」ではない。

正真正銘の自分自身。


もちろん「レスカ」を知っているのではない。
それを知っている者はほんの一握りしか居なかったし、実際それは問題ではなかった。

必要なのは本質であり、そしてこの男の目は確かに見つめていたのだ。


「カフェオレ」ではないレスカを。



男は静かに笑んだ。

「姫。私はずっと探していました。
自分と同じ世界を見ることのできる人、
同じ明日を望んでいける人を
・・・・・・・
貴女は私と同じ目で世界を見ておられる。
私はそう確信しております。」


そう言うと、男はレスカの手を取り膝をつく。

その甲に唇を寄せ、騎士のごとくレスカに頭を垂れた。

「王子・・・」

「どうか、私めと同じ道を歩いては下さいませんか?その為ならばこの王位など必要ない、全てを貴女の望みのままに・・・」



胸が・・・痛かった。

この人の言っている事に嘘は無かった。

レスカ自身、それが良く分かったからこそ・・・言葉が出なかった。


「王子・・・・私は・・・」


声が震えた。

息が苦しくて、妙に視界がぼやけていた。

冷静になったはずの思考回路は再びどこかが焼き切れていくみたいだった。


そんなレスカの様子に、男はゆっくりと立ち上がった。


「姫、私は情けない男です。今の貴女から答えを聞くことが正直怖い
・・・式はあと3日間続きます・・・・・どうか、最終日にお答えいただけますでしょうか?」

数刻を要してなんとか頷く事が出来たレスカに、男は微笑むと静かにその場を立ち去っていく。

その後姿が、妙に哀しかった。







男の去った後、レスカは男が口付けた左の手をじっと見つめた。

じっと見つめて・・・・そして小さく呟いた・・・・・・


その呟きは、レスカの姿と共に夜の闇にゆっくりと消えていった。




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