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ここは、「Luftleitbahnen」の別館です。
Fan Fiction Novel-二次創作小説-を置いてあります。
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真っ当な更新が出来ていなかったので、ようやくSSを!!
時事ネタのさくっと読めるのを目指して見ました。
といいながら、花見ネタっていつだよ!!(汗)
なんか、ガキさんの性格変わった気がするwww
(まぁ、でも捏造だし、いいか)

設定は捏造IFの両生存(一応「滄海+」の続き的位置づけ)
ハム子とガキさんは3月中旬まで入院してたけど、元気なようです。
ギャグとシリアスの中間っぽいけど、特にこれって落ちがつかなかったので、シリアスにあげちゃいます。
ちなみに、今回はあんまり荒ハムっぽさはないです。(ALL系)
※続きっぽい荒ハムは、短かったので拍手にいれました。


∞――――――――――――――――――――――――∞


昔から、言うよね


「桜の下には・・・」って



でも、本当に埋まってるものを


貴方は知っていますか?




∞―――――――――∞ 櫻花  ∞―――――――――∞






「花見でもすっか?」

その一言に、病室の空気は驚くほどに静まり返った。



ここは辰巳記念病院の一室である。
卒業式の日、病院を抜け出して、月光館学園の屋上まで駆けつけるという荒業を見せつけた荒垣であったが、やはりそのまま退院とはいかなかった。
むしろ、こっぴどく叱られた上、入院、検査のオンパレードが待ち構えていた。
とはいえ、実際には医者も舌を巻くほどの回復ぶりに、裏では「奇跡の人」呼ばわりをされているのは本人も知らない。
一方、あの日から数日深い眠りに陥った透流もまた、この記念病院に運び込まれていた。こちらはと言えば、目覚めてからは頗る元気で、むしろ寝溜めした分を取り戻すかの勢いで、食う、寝る、遊ぶという所業を、何故か(と言っても分かる人には謎でも何でもないが)荒垣の病室に入り浸って繰り返していると言う有様である。
正直、【カエレ】と言われてもおかしくは無い。むしろ、【カエレ】である。
そんな訳で、この駄目患者達は、共に3月も半ば過ぎには退院が決まっていた。


この日は、久しぶりにS.E.E.S全員が集まって、お見舞いと称して荒垣の病室を訪れていた。
来月には美鶴と真田はそれぞれの道を歩きはじめる。すでにその準備のため、こうして全員が集まってと言う事は稀になってしまっていた。
絆で繋がっている仲間同士、それは誰の心にも一重に強く刻まれた"想い"ではある。しかし、物理的な距離はまた違った意味で確実に存在するのも事実だ。
だからだろう、実際にはお見舞いと言うよりも、まるで巌戸台分寮のラウンジのような空気が、この病室には充満していた。


そんな中でである、二人の快気祝いをどうするかという話題の折に出た荒垣の台詞に、皆一様に目を丸くしていた。勿論、その視線は発言者に注がれている。


「な、なんだよ・・・なんか変な事言ったか?」
「い、いや・・・荒垣の口からそんな台詞が出るとは正直思わなくてな」

未だ信じられないものを見るように、首を振りつつ呆然と呟く美鶴に、同意するように天田が頷いた。

「ちょっとびっくりしちゃいました。荒垣サンの口からそういう提案出るなんて。でも、いいですね。お花見!」
「オハナミ・・・・主に花を鑑賞し、春の訪れを寿ぐ慣習。日本ではぶっちゃけ"宴会"というアレですか」
「あ、アイギス・・・合ってるけど、合ってるんだけど・・・何か違うからそれ」

窓の外に視線を移し、笑顔を浮かべる天田とは対照的に、アイギスは一人思案顔を浮かべている。内蔵データから検索された結果をもとに、なるほどと頷くその姿に、何か腑に落ちないと言うゆかりの突っ込みが虚しく響く。

「今年は3月に入ってから暖かかったから、花も早いって言ってましたね。」
「いいじゃんいいじゃん!!最後にみんなで花見なんてさぁ。俺ッチ大賛成っすよ」

ニュースを思い出しながら、風花が穏やかに笑んでそう告げれば、順平も身を乗り出して目を輝かせた。既に、皆の頭の中には満開の桜が思い描かれているらしい。


「決まりだな!!そうとなれば、シン・・」
「言っとくが、俺は今回弁当は作らねぇぞ」

よし!とばかりに拳を握り、当然の様に荒垣を振り返った真田の言葉は、しかし、当の本人によって遮られていた。

「そうだ。当然こいつも手伝わねぇからな。俺たちの快気祝いなんだろ?」

ベッドサイドに腰掛けて、お花見!お花見!とはしゃいでいた透流をその腕の中にすっぽりと引き寄せると、荒垣は口元をニヤリとあげる。

『な”』
「お前らの手並み、拝見といかせてもらおうじゃねぇか。
・・・期待してっぞ」

その姿と言葉に、いろんな意味で皆の口がパクパクとするのを可笑しそうに見回しながら、荒垣は浮かべた笑みをさらに意地悪げに深めるのだった。

寒さと、暖かさの入り混じる風が、病室の窓を楽しげに撫でつけていった。





3月28日(日)-長鳴神社-


「桜・・・・」

透流が見上げるその先には、パラパラと申し訳程度に花を咲かせた桜の木。
花の色よりも、蕾の色が濃いピンクをかもしてはいるものの・・・・寂しいと言っても差し支えの無い光景だった。

「上旬が暖かかったから、早く咲くっていってたんだけど・・・」
「急に寒くなっちゃったからねぇ。わかってはいたけど、実際見るとやっぱり寂しいかも」
「ま、まぁいいんじゃね?花より団子って言うしさ。」

2年生組みが上げた声に、残りのメンバーも複雑な色をその顔に浮かべていた。
ここ数日間、巌戸台分寮のラウンジは、ふとすれば無意識に外を眺め、その天気と気温に零れるため息で満たされていたのは事実だ。
こればかりは天の采配と分かっていても、指折り数えて楽しみにしていたイベントである。しかも皆が一同に会して行うものとしては、多分最後の・・・・

「仕方ないだろう。それに全く咲いていないわけでは無いしな」
「そうですね。あ、あの木なんて比較的花が多いですよ?」
「じゃぁそこにするか?アイギス、あそこに頼む」

ふっと息をはいた美鶴が、切り替える様に再び木を見上げれば、辺りを見回していた天田が一本の木を指し示した。
そこそこ日当りのいいその場所は、確かに回りより幾分花が多めに見える。
敷物を担当していたアイギスに、真田が声をかけたその時だ。


「ワン!」
「ん?なんだ。コロ」

皆の足が一斉にそちらに向かいかけたのを、コロマルの声が引きとめていた。赤い瞳がじっと一同を見つめている。

「ワン!!ワン!!」

大きく吼えると、コロマルはその木とは逆の方に足を向けた。誰の返事を待つ事無く、一直線に社殿とは逆の建物の方へと走って行ってしまう。

「ついてこい。と、言っていました」

アイギスの言葉に、皆が顔を見合わせた。ここはコロマルの家と言ってもいい場所、それは誰もが分かっていた。学校ではなく、あえて花見にここを選んだのも、それが理由の一つだったからだ。とはいえ、コロマルが足を向けたのは、桜の木とは逆方向、ただの建物である。

「あそこって、御守販売所だよな?コロって、今日の意味分かってんのかな?」
「社務所といえ、社務所。お前よりは少なくともわかってんじゃねえか?」
「でも、神主さんはもう・・・・」
「とりあえず行こ?コロちゃんが来いって言ってるんだしさ」

荒垣サンひどいっすという順平の呟きは黙殺され、疑問を浮かべたままの無数の足が社務所へと向かう。
そんな皆が揃うのを待っていたのか、社務所の玄関前にはチョコンと行儀よくお座りをしたコロマルの姿。
全員の姿を確かめると、コロマルは玄関に向かって咆哮をあげた。

「ウォゥ!!」

たった一声そう吼えると、じっと扉を凝視するコロマル。その姿に、皆が再び顔を見合わせた時、視線の先で玄関扉が音も無く横滑りした。
そこには、神主姿の若い男が立っていた。

「やっぱり虎狼丸でしたか。お帰りなさい」
「ワン!!」

穏やかに笑んだその若い神主は、コロマルの頭を一撫でしてからゆっくりと顔をあげた。S.E.E.Sのメンバーを見回して、さらにその笑みを和らげる。

「こんにちは、巌戸台寮の皆さんですか?」
「あ、は、はい!!」

突然の展開に、反射的にぴょこんと跳ねて透流が答えれば、和らげた目元もそのままに、神主は声を上げて笑った。

「虎狼丸がお世話になっています。ありがとう」
「あ、いえ、こちらこそお世話様です!!」
「意味わかんねぇこと言ってんな。・・・・あんたは、神主さん・・・なのか?」

ポカッっと透流の頭を叩きつつ、荒垣が複雑な顔で問えば、若い神主は目を細めてゆっくりと首を縦に振った。

「えぇ、"今"は私がここの神主です。虎狼丸は、"先代"の飼い犬です。
先代はこちらに住まわれていましたからね・・・・私は通いの神主なので。
本当に皆様には感謝しています。虎狼丸と居て下さってありがとう」
「いえ、本当にコロマルに助けて貰ってるのは我々の方です」
「大事な仲間ってやつっす!」

口々に俺も、私も、僕もと言う少年少女の姿に、やはり破顔の表情を浮かべると、神主はしゃがみ込んで虎狼丸の目を見つめた。

「この人たちを連れてきたってことは、あの場所にいきたいのですね?」
「ワン!!」

凛とした声を上げる虎狼丸に、神主は頷くと、再び立ちあがって皆を見回す。その手をすっと差し出すと、玄関の扉を開け放つのだった。

「さぁ、中へどうぞ」











「す・・・っげぇ・・・」
「綺麗・・・」
「こりゃ、見事だな」
「あぁ・・・」

感嘆の声だけが、我知らず皆の口から零れ落ちる。
誰もの目を釘付けにしたそれは、まるで音の無い音色を奏でているような、生きた絵画のようなそんな一つの完成された世界のように佇んでいた。

サァァァァァァ

上部から吹きこむ風に、一見頼りなげな枝葉が美しく揺れている。
社務所の中庭。そこに佇んで居たのは、それは見事な1本の枝垂桜。

「"先代"が大切になさっていたんですよ。毎年この時期は、虎狼丸とよく見ていましたね」
「ワン!!」

尻尾を膨らませながら、嬉しそうにパタパタと振るコロマルを、透流がぎゅっと抱きしめる。
その光景に皆が穏やかな笑みを浮かべると、案内して来た神主もまた微笑んだ。

「お花見にいらしたのでしょう?そこの縁台をつかってください。
あなた方は虎狼丸の大切なお客様です、どうぞゆっくりしていってくださいね。」

落ち着いた所作で頭を下げると、もう一度虎狼丸の頭を撫で、神主は奥の間へと下がっていった。
それを目で追いながら、誰もが静かに頭を下げた。


「コロ、ありがとうな」
「ありがとうコロちゃん!!」

口々にあがる感謝の言葉に、コロマルの尻尾はより一層その動きを速める。
皆が伸ばした手にギュウギュウともみくちゃにされながら、その目は始終嬉しそうに輝いていた。




「で、何だ?これは・・・」
「見れば分かるだろう?玉子焼きだ」

別の意味で目を細めた荒垣に、真田が反り返らんばかりに胸を張る。そんな二人と、そしてその前にある重箱に、誰かが大きなため息をついた。

「そりゃ見りゃわかる。
でもな、なんで重箱3段全部に玉子焼き詰まってんだよ・・・・」
「勿論味に違いがあるからに決まってるだろう、1段目は出汁巻、2段目は明太子、
そして勿論3段目はプロテインだ!!どうだ!シンジ!」
「真田さん!!プロテインだけは駄目だってアレほどお願いしたじゃ無いですか!!」
「ん?ちゃんと天田に言われた通りの物は作ったぞ、プロテインは俺からのサービスだ」
「・・・そういう問題じゃないって言ったのに」

どうやら、真田と天田はタッグを組んでいたらしい。
ある種、マニュアルを与えればその頭脳を駆使して動ける真田に、天田は味付けや手順を細かく指示して一本勝負と出たのだった。
その戦略は、確かに間違ってはいなかった。
味付けや分量、調理法は天田が指示をし、真田はそれに基づいて作業をこなす。
成績が上位と言うのは伊達では無い、与えられる指示が的確であれば、やる時はやるのである。
ただし・・・・見て居ない所で、いらない事をするのもまたお約束というものかもしれない。

3段目はお前が全部食え!と荒垣に3の重を口に詰め込まれる真田をよそに、皆の視線は既に別の方へと移っている。

「女子組みはおにぎりとサンドイッチで~~す!」
「わぁぁぁ、おいしそう!!!」

流石は女子!と普段は言いたい所であるが、このメンバーが作り出したソレがどれほどの血と汗と涙の結晶なのかは推して知るべしである。
実際、それは"普通"に美味しそうな代物であった。
わかめと鮭のおむすび、炊き込みご飯のおにぎり、バラエティに飛んだサンドイッチは、きちんと表面はトーストしてあるようだった。

「美味しそうですね!!あ、またオムライスのおにぎりがある!」
「このサンドイッチ、ほんとに風花が作ったのか?」
「それは私だ・・・な、なんか文句があるのか伊織!?」

キュルルルルルルルルル

首をブンブンと横に振りつつ後退る順平と、にじり寄る美鶴を傍らに、コロマルと透流のお腹が盛大な悲鳴をあげる。それに皆が笑い声を上げた。

「それじゃぁ食べようか?
あぁ、でもおかずは玉子焼きだけ・・・かな・・・・(汗)」

風花の言うとおり、炭水化物という意味では確かに女子組みの内容で事足りる。とはいえおかずは天田と真田の玉子焼きの2段重だけというのは、ちょっと華が無いのも事実。(3重は・・・ノーコメント)

「アイギス、あれ出してくれ」
「了解です」

唐突にあがった荒垣の声に、抱えていた敷物の束の中から、アイギスが重箱を取り出した。広げられたソレには、去年を思い出させる色とりどりの惣菜が綺麗に盛りつけられている。

「あ、荒垣サンこれって・・・」
「うっわ~~~。やっぱすっご~~~~い!!」
「何度見ても、見事だな」
「本当に美味しそうです」
「なんだ、シンジやっぱり作ってきたんじゃ無いか」
「ワン!!ワン!!」
「こんなことだろうと思ってたからな。あぁ、コロにはこっちな」

コロマルに特製ご飯を盛りつけながら、荒垣が呆れた表情で言えば、やはりみんなの笑い声が木霊する。そこに再び、今度は誰のモノともつか無い、いや、もしかしたら全員のお腹の虫が抗議の声を上げるのだった。

キュルルルルルルルルル

楽しい宴が、半年を経て、今再びその幕をあげるのだった。








「それにしても見事なもんだな」

一通り宴の頃がすぎると、いつしか全員の視線は再びその切り取られた空間に注がれていた。
風に揺られ、その美しき存在は静かに音楽を奏でている。

「桜って、不思議だよねぇ・・・・一枚はこんなに薄い、ほとんど白っぽいのに
こうやってみると、本当に綺麗なピンクなんだもん」
「そういや、『桜の樹の下には』だったか?屍体が埋まってるとかなんとかいうのは」
「梶井 基次郎だな。
こうしてみると、その意味も分かる気がするな」
「綺麗過ぎるモノってのは、怖いってことっすか?」
「それもあるし、それだけでもないって事なんじゃないかな」
「よくわからないですが・・・・でも、ほんの少しだけわかるような気もします」

しみじみと口にされる言葉の数々に、誰もが心で頷いていたのかもしれない。捉え方はきっとそれぞれ違うけれど、でも、どこか共有する感覚。

「思い出、みたいなものでしょうか」

アイギスの言葉に、皆の視線が自然と集まる。

「一つ一つは、記憶の欠片、過去の出来事。それはいい事も悪い事も含めてただの事実。
でも、集まれば、それは思い出という色が、花が咲くのかもしれませんね」

目を見張る皆の顔を見回して、アイギスが優しい笑みをその顔に浮かべる。
その姿に、熱く混みあげるものの存在がある事を、既に誰もが知っていた。
彼女は、既に、人よりも人らしいのだと。


「そうだね、そして、私達はまだまだこんな立派な木にはなれてない。
途中なんだよ、きっとね。だからもっともっと前にいかなきゃ!」

片目をパチリと瞑って、朗らかに透流が笑えば、そうだとばかりに皆の声が重なった。

「あぁ、戦いは終わったんじゃ無い。始まったばかりだ」
「明日を勝ち取るためにな」
「もう忘れないよ!信じる事も、諦めない事も」
「後じゃなく、前を向く力を皆さんに貰ったから」
「一人じゃないから」
「ほんとの意味で、頑張るってヤツッすね」
「ワン!ワン!!」

「ったく暑苦しいな。テメェらは。
ただ生きりゃいいんだよ。

テメェららしくな」



吹きこむ風に揺れる枝葉が、思い出の花をその身に纏って、新しい季節の到来をいつまでもいつまでも謳っていた。



∞――――――――――――――――――――――――∞



昔から、言うよね


「桜の下には・・・」って



さぁ、その目で確かめてみて


それはきっと、かけがえの無い宝物



∞――――――――――――――――――――――――∞




「よっし、んじゃ、ラストはこの順平様の特製デザートの出番って事で!」
「そういえば、あんた何も持ってきてなかったっけか」
「ちっちっち、真打は最後のって言うだろ?」
「真打は荒垣先輩のお弁当で十分だっつぅの」

順平の満を持した言葉に、ゆかりの突っ込みが容赦なく降り注ぐ。
しかし、それをいつしかアップした回避能力で避けきると、順平はずずっと持ってきたソレを広げた。

「うわぁ、珈琲ゼリー。美味しそう!!」
「へぇ、こうきたのか順平。やるじゃないか」
「生クリームがちゃんとのってる。本格的ですね」
「包みを空けただけで香りが漂うな。うん。紅茶とは違うが悪く無い」
「デザートって、なんでお腹いっぱいでも食べれちゃうんだろう。うふふ」
「ワゥ?」
「お前にしちゃ上出来だな。っつぅか上出来過ぎっか。誰の入れ知恵だ?」

皆がそれぞれに目を輝かせ、自称真打をその目に捕らえる。順平が作ったという割りには良く出来たそれからは、ふわりと珈琲のいい香りが漂ってきていた。
得意げに皆に配りながら、順平は帽子越しにその頭を掻くとニカリと笑った。

「入れ知恵って酷いっすねぇ。いやぁ、チドリに何作ったらいいかって聞いたら、
俺の得意なのは何だって聞くんすよ。で、珈琲位ならって言ったら、ゼリーにすればいいって。
やっぱ、女の子の意見は違うッすねぇ」
「あんた、それただの惚気じゃん。あ~うざ!」
「おやおやゆかりっち、やきも・・・・・・
・・・うわ・・マジ?何その召喚器!!」

いつのまにかゆらりと立ち上がり、順平に近寄るゆかりの手には、しっかと握られた召喚器。

「あんたにも分かりやすく教えてやろうかと思って・・・女の子の意見ってやつ?」

ギャーーーーーーーーーー

轟く悲鳴が大気を伝う中、アイギスは一人したり顔で頷くのだった。

「これもいつかは思い出というやつなのですね」


-イヤ、それは多分・・・違う-


そう誰もが思った事は、桜の樹だけが知っていた。

∞――――――――――――――――――――――――∞
枝垂桜はソメイヨシノよりも1週間位早いのがあります。
まぁ、その桜だと思ってくださいませませ。
それにしても、うちの真田は本当に可愛そうな子だ・・・・ゴメンナサイ
あー…
順平は、なんつーか、カワイイよね!(笑)
楽しそうでいーなぁ!
コロちゃん、グッジョブ!
acqua 2010/04/18(Sun)09:44:33 編集
Re:あー…
お花見なので、まぁ何も考えなくてもいいような話にw
順平は、空気読めるくせに、あえてKY
(まぁ、ただ単に一言多いんでしょうねwww)
コロちゃんは「虎狼丸」って入れたかったのですよ~
【2010/04/18 10:34】
はーなーみー!
 そういえば今年は結局、帰り道でしか桜を見ませんでした。
 ご近所にも有名な桜通りがあるのに……(笑)
 まあ、花より団子なので、あんまり気にしませんが。
 しかし、順平はいいですよね。美味しいところをもっていく(笑)
 ネタ的にも、オチ的にも(笑)
無月緋乃 2010/04/21(Wed)19:05:53 編集
Re:はーなーみー!
えぇ、順平はある意味でオールマイティ(笑)
今年は、この天気の所為で、花は長続きしましたが
見ごろな日が少なかった気がします。残念無念
とはいえ、たまには順平に良い思いをさせてあげたいなぁww
【2010/04/22 02:59】
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