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ここは、「Luftleitbahnen」の別館です。
Fan Fiction Novel-二次創作小説-を置いてあります。
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acqua様のサイトで、またまた図々しくも
20000hitsとコメント400件目という栄誉を手にいれましたです!!

と、いうわけで、書いていただいたのが コ チ ラ♪♪
「ハロウィンな荒ハム!!」です。

最初は学園祭とかも考えたんですが。。。
折角なので時事ネタをお願いしてしまいました!エヘヘ
素敵なハロウィンナイトというかハプニングナイトですъ(`ー゜)

どうぞ皆さまご堪能アレ!
あ、合言葉は「サトイモ」です(笑)

acqua様のサイトはこちら -acquaのネタ帳!!


∞―――――――――∞ Halloween Night 01  ∞―――――――――∞




「みんなで、行きましょう!遊園地!!」

それは、ある秋の夜。
お月見と称して巌戸台分寮の屋上で、荒垣が作った晩御飯を楽しく食べていた時だった。

突然、すっくと立ち上がった透流が叫んだのだ。

「…透流、サトイモが落ちたぞ」

握りしめた箸に刺さっていた丸いサトイモが、彼女の足元を転がり、その場に居た全員がため息を吐いた。

「ああああっ 私のサトイモが…!!!」

しゃがみ込み、今にも落としたそれを口にせんとする勢いで透流が叫ぶ。

「食うな」

一瞬だけ早く、荒垣の手が伸びて転がったサトイモを拾うと、低い声でピシリと透流を制した。

あの運命の日から半年が過ぎ、透流も荒垣も去年は考えようもなかった位に穏やかな日々を過ごしている。
特に、荒垣は。
去年の今頃は、死にかけた状態で病院にいたのだから。

「いつまでもしゃがみ込んでんじゃねえ…ったく。ホラ」

彼女の取り皿に、サトイモと鯖の竜田揚げを取り分け手渡してやる。
透流は、差し出された皿をじっと見ていたが、やがて顔を上げてぽつりとつぶやいた。

「先輩、くりごはんも…」

切なそうな透流の声に、全員が爆笑したのは言うまでもない。

「そんでさ、何でまた遊園地なの?透流ッチ」
「しかもさ、そんな拳を握りしめて言うような事でもないし」

順平とゆかりに畳みかけられた透流は、口いっぱいに栗ご飯を頬張っている。
手で、ちょっと待って、と二人を制止、一生懸命咀嚼している。

しばらくして、ごっくん、と喉を鳴らした彼女がようやく口を開いた。

「ホラ、月末ハロウィンでしょ?これ!!!」

彼女がポケットから取り出したチラシには、『ハロウィンナイト』と大きな文字で書かれていた。
どうやら、遊園地の宣伝用のチラシらしい。

「あ、これ…駅前で配ってたね。私も一枚もらったよ」
「ハロウィン…何やら怪しい響き…そして…こちらにナイトパレードとありますね…」
「アイちゃんのその発言の方が何か怪しいけどな…」

透流の手に在るチラシを皆で覗きながら、口々にそんな事を言う仲間達。
アイギスは、チラシに書かれている文字を瞬時に読み取ったらしく、何やら考えこんでいる。

「どうした?アイギス」
「こちらに、ハロウィンナイトで貴方も別人に変身!とあるのですが、どういう事でしょうか。
文面から察するに、ハロウィンナイトに参加すると強制的に改造される、という事なのでしょうか?
ま、まさか…!遊園地に忍びよる魔の手が…!?」
「…お前、天田と一緒に戦隊物とか特撮ヒーローものとか見過ぎじゃねえか」

春で、巌戸台分寮を出て初等科の寮に戻った天田だったが、美鶴がどう手を回したのか土日はしょっちゅう巌戸台分寮に戻って来ていた。
所謂、外泊許可を取ってだ。
いっその事、巌戸台分寮に完全に戻るという事も美鶴に問い合わせてみようかと荒垣は考えていたのだが、巌戸台分寮に住んでいる全員が、高等科の三年生で次の春には出ていく事になる。
それを考えると天田をここに住まわせるわけにはいかないのだという結論に達していた。

そして、やってくる度、天田は透流とアイギスの三人で真剣に日曜朝の戦隊物を見ているという訳だ。
何故か透流もこの手の番組が大好きらしく、三人でしょっちゅう議論を繰り広げている。

「改造もされないし、遊園地に魔の手も伸びてないから!全く…透流も、アイギスと一緒にテレビ見てるんだから、いい加減な事教えないの!」
「えー、教えてないよ!」

ぷう、と頬を膨らませて拗ねる透流に、どうだか、と冷ややかな視線を向け、ゆかりがお茶をすすった。

「ふふっ いつも天田君と透流ちゃんとアイギス、楽しそうに見てるもんね。テレビ。
あのね、アイギス。ハロウィンは、由来は諸説あって省くけど、ジャック・オ・ランタンを作って灯りをともして、お化けに仮装した子供たちがお菓子をくれな いといたずらしちゃうぞ!ってお家を一軒一軒回るんだよ。それで、お菓子をもらって持ち寄ってハロウィンパーティを開いたりするんだって。
なんだか、楽しそうだよね」
「あー、何だっけ Trick or treat だっけ?」
「日本にはあんま馴染んでないけど、最近秋になるとカボチャのお菓子とか、ハロウィンの時期だけの限定とかいろいろ出てるもんな。チドリ、パンプキンプリンが好きだから、今しょっちゅう食っててさ~」
「あー、ハイハイ。ね、順平の馬鹿は置いといて、アンタは皆でハロウィンナイトに行きたいんだ?
透流?」

うっとりとした表情を浮かべ、惚気始めた順平の顔をぐいー、と容赦ない手つきでおしやったゆかりが、透流に顔を近づけると、透流は、満面の笑みを浮かべて大きく頷いた。

「ねね、先輩、皆で行きましょうよ!!」

ね?

上目遣いで軽く首を傾げた透流のその仕草は危険だと嫌というほど分かっている荒垣ではあったが、透流の笑みは恐ろしく魅力的で、破壊力に満ちている。

ここで、是と言えば大変な目に遭うのは自分だ。
いままで何度、この笑みに騙されてきたか…。
そう必死で自分に言い聞かせていたのだが、ダメですか…とうなだれる彼女に負け、荒垣は大きなため息をつき、了承したのだった。

透流は、無邪気な笑みで、皆で行こうね!と嬉しそうに口にする。

「たまには付き合ってもいいかな? ナイトパレードとか、なかなか見られないしね」
「オレっちも!チドリ連れて行きてえ!」
「私も、仮装…とかちょっと見てみたいかな?」
「ハロウィン…私は透流さんを守る義務がありますから当然行きます!」

仲間達の、のんきな…一部不穏な言動を聴きながら、荒垣は引率者よろしく全員を引き連れて回る事になるのかと、もう一度、大きなため息を吐いた…。

そして、10月31日の夕方。
隣町にある遊園地の駐車場に、巌戸台分寮、寮生の姿があった。

透流と荒垣、アイギスに風花、ゆかり、そして順平とチドリ。
アイギスのラボへの送迎用に美鶴に押し付けられた車を運転してきたのはもちろん荒垣だ。
他の面々よりも一足先に18歳を迎えていた荒垣は、美鶴に言いくるめられ桐条の配下にある教習所へ通わされて免許を取得したのだ。
元々免許を取るつもりでいた荒垣に否やはなかったが、以来、何かと寮生の足として使われている。

「透流、アイギスと一緒にチケット買って来い。人数分な。お前、優待券ちゃんと持ってるか?」
「任せて下さい隊長!!!この通り!抜かりなしであります!」

ビシっと優待券の束を手に敬礼すると、透流はアイギスの手を引いてチケット売り場へと駆け出して行った。

「あー、荒垣さん…俺らこっから別行動で…」
「ああ、分かってる。チケットを透流からもらったら一時解散。閉演後ここに集合、でいいだろ?」
「もちろんッス!!」

嬉しそうな順平と、その後ろで恥ずかしそうに立っているチドリ。
どこか初々しさを残すカップルに、荒垣は苦笑した。

「お待たせ!えっと、トワイライトチケットにしました~」

アイギスと戻ってきた透流が、全員に一枚ずつチケットを渡して行く。

「えっと、チケット代とかは寮に戻ってから清算、でいいのかな?」
「要らないよ。だって、これ美鶴先輩がくれた株主優待だから、無料だもん」
「美鶴先輩からなんだ、へー。ここ、トワイライトチケット、学生でも2000円とかするもんね。
ラッキー!」

風花に透流、ゆかりはきゃあきゃあ言いながら、浮いた分で甘いもの食べようか、と相談している。
ともあれ、全員で入園すべく入口へと向かう。

「あ、そうだ!」

入園する列に並ぼうとしていた全員を、透流がくるりと振り返った。

「チケットに注目!」

他の入園者の邪魔にならないように皆をわきに寄せると、透流は手にしたチケットをかざした。

「コレ、仮装用衣装の引換券なの」
「仮装とは具体的にはどういう事でしょうか」

不思議そうに首を傾げるアイギスに、彼女は待ってましたと言わんばかりに目を輝かせ口を開いた。

「よっく訊いてくれました、アイギス。
ふっふっふ。これはつまり、ハロウィン用兵装…!!
遊園地で目立たず、任務を全うするための…」
「…これが目的か」

透流の頭に、大きな手がぽん、と置かれた。
優しくて大きくて温かな、その手が透流は大好きだった。
大好きなのだが…、ずしりと透流の頭の上で、それは重さを増した。

「だって…、ハロウィンですよ?」
「…ハロウィンだな」
「ハロウィンだもん」
「…そうだな」
「全員で…」
「…」

荒垣の声が徐々に低くなる。
それに伴い透流の声は小さくなる。

しょんぼりと、うなだれてしまった透流。

そして…視線は荒垣に集まる。

「…何だ」
「大人げない」

ぼそりと呟いたのは、チドリだ。

「折角のデートなのに、彼女の言う事、少しぐらい聞いてあげるべき…」

それだけ言うと、さっさと入場門へと行ってしまった。
順平が慌てて後を追う。

「…大人げないって」
「あの…荒垣先輩?」
「チドリちゃん、性格は変わってないよね」

風花が、心配そうに荒垣を見上げる。
くすくすと笑っているのはゆかりだ。

「荒垣さん、郷に入っては郷に従え!です。ここはひとつ童心に帰って一緒にハロウィンを満喫しましょう!」
「…」

拳を握るアイギスと、悲しそうな瞳を荒垣に向ける透流。
荒垣は頼まれると弱い。

相手が男なら、いや…男でも。
基本相手に不快な想いをさせたくはないのだ。
喜んでいる顔を見るのが…嬉しいのだ。

それが、日頃大事にしている仲間となると…途端に荒垣は弱くなる。

「くそ…っ リクエストとかは聞かねえからな。ホラ、さっさと行くぞ!」

真赤な顔をして、ぶっきらぼうにそう言うと、荒垣は大股で入園門へと歩き去ってしまった。
後に残された女子四人は、あっけにとられながらも、満面の笑みを浮かべて荒垣に続いた。



∞――――――――――――――――――――――――∞
「サトイモ」分かっていただけたでしょうか?
こういう小気味のいいギャグがmiyaは大好きですw
チドリの突っ込みの鋭さも(≧∇≦)bイイ
さて、この先どうなることやら♪続きをどうぞ!
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