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ここは、「Luftleitbahnen」の別館です。
Fan Fiction Novel-二次創作小説-を置いてあります。
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シリーズとか言って書いてた割に・・・夜想曲とのギャップが・・・
私は克哉が大好きです。本当です。
これしかコメントがつけられません・・・(冷汗)

- 満月の狂騒曲(上) -

その一室は異様なまでの緊張と静けさに満ちていた
張り詰めた空気が次の瞬間に起こるであろう事態を予測している


「ハマオン!」
「ムドオン!」
~死神のルーレット~


天井に魔法陣が浮かぶ、閃光が部屋をかけ抜ける


「ばかな」
呟きと同時、倒れていたのは芹沢うららその人だった


芹沢うらら死亡改め瀕死


「これで決定と言う事か?」
克哉は落胆の色もあらわに一人呟く
「どうやらそのようですね、まぁ仕方のない事でしょう」
室内というのに何故かヘルメットをかぶったままの青年が告げる
南条コンツェルンの次期総帥
その青年-南条圭-は一通り部屋を見回し言葉を続けた
「あまり部屋のモノに触るわけにはいかないでしょうが、
一応ベットに寝かせた方がいいでしょう」
その声に克哉は我に返った
「あ・ああ、そうだな。考えたらここは女性の部屋だし・・・」
自分で言っておいてなんだが、今更ながらにそのことが信じられない
累々たる瀕死体が3つほど転がる人外魔境
南条と共にそれなりの場所に3人の身体を並べ、克哉はやっと息をつく
「さて、どうしたものかな?約束した以上僕たちが後を追うことは出来ないし」
考え込んでいる克哉に南条が提案する
「時間まで此処にいなければいけないということも無いでしょう
一応部屋の主が不在(?)の場にずっといるというわけにもいきませんし
・・・朝までどこかで時間をつぶすべきではないでしょうか?」
その提案に同意をし、克哉は南条と共に部屋を後にする
「しかし、あれはどういう基準なんだ?その日の運勢か?それなら今日は
絶対にいいはずなんだが・・・」
未だに不満ありありな克哉に南条が一言呟いた
「運勢がいいから生きてるんじゃないんですか?」
その突っ込みに一人愕然とする克哉を尻目に南条は軽いめまいを覚えた
これを毎月続けるのか・・・と


天にかかる白銀の真円もまたあきれているような気がした


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
その頃向こう側では
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「邪魔するな!」
「僕は女性とは一言も言ってないんだが・・・」


克哉自身は何も告げない弟に、達哉は必要以上に過干渉な兄に
共に一触即発状態だった


きっかけなどは些細な事、無断で達哉が出かけようとした、ただそれだけだった


「二度は無い、いいのか?」
達哉は急いでいるところを邪魔された事もあり、珍しく本気になっていた
「言い訳なら家で聞こう。おとなしく僕と帰るんだ」
克哉もまた達哉の急いでいる理由には心当たりが合った
だからこその言葉だった


二人はまるで示し合わせたかのように叫んでいた
「これで終わりだ!」
「これで決まりだ!」


閃光と爆音が響き渡る


次の瞬間倒れていたのは克哉だった
「差がありすぎるんだ、悪く思うな」
達哉の言葉に克哉は逆に血の気の無い顔で笑みを浮かべる
「・・・ふ、おまえの方こそ目的を忘れてるんじゃないのか・・」
そう言って意識を失った克哉を見下ろし達哉は自分のミスに気が付いた
「・・・くっ、兄さんめ俺をだましたな」
達哉もまた持っていた果物ナイフを握り首筋に当てると一気にそれを滑らせる
「・・舞耶姉・・」
噴水のごとく吹きでた血がみるみる二人の身体を朱に染める


克哉及び達哉死亡改め瀕死


寸分たがわぬ光を落としながら、ここでもかと言うように
朱の池に2体倒れる瀕死体を、真円の月はあきれたように見下ろしていた


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
さらに同時刻の仮面男の生息地では
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


もはやおなじみの自称自我の導き手が、あいも変わらずコスプレをしていた
ちなみに今は何を勘違いしたのか恐竜パジャマである
どこから取り出したのか、鏡を見ながら百面相でポーズまでつけている


誰が見ても立派な変態だった


「うむ、意外性というのは大事だな・・・・・」
そんな事を呟きながら次なるポーズをとりはじめる


ひゅるるるるるるるるるぅぅぅぅ
「ん?」
どさ!!
ぶぎゅる!


「・・・・ってーなぁ。おい」
パオフゥは打った腰をさすりながらそのどこかで見たような部屋を見直した
「ってなんだこりゃぁ」
その驚きもある意味もっともな事だった・・・その時


うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
「な!」
ごす!
ずしゃ!


「いたたたた、此処は落ちてしかこれんのか?」
克哉はまともに打った頭の上を星が飛ぶのを感じつつも立ち上がる
「・・・・ここは、この間と同じ場所なのか?」
その疑問ももっともである


「おい!」
「ん?」
克哉は一瞬聞こえてきた声に周囲を見渡すが、気のせいかと思い再び部屋を見回した
「この間の女性(確か天野さんだったよな?)はまだ来てないようだな?」


「・・・おい!どけってんだよ!周防」
その不機嫌な声に今度こそ克哉は振り返り下を見た
あまりの乱雑さに気付かなかったが、金色の服を着た怪しい男が自分の下に埋もれていた
「なっ、貴様何者だ?フィレモンとも違うようだが・・・
なぜ僕の名前を知ってるんだ、それになぜ僕の下にいるんだ?」
「てめぇが俺の上に落ちてきたんだろうが!?って何ボケたこといってんだ?あぁ?」
パオフゥはやれやれといったように立ち上がると服のほこりを落としつつ
自分に銃を向けている克哉に疑問の色を投げかけた・・・さらにその時


ォォジィィティィブゥゥゥゥゥ
「やべぇ!」
「なに?」
げし!
ぶはぁ!


「いった~~~い!・・・・でも一応成功よね♪」
舞耶は前回同様しこたま打ちつけたお尻をさすりながら立ち上がり
「確立5分の3だもんね、外れるわけにいかないし・・・・それにしても
パオフゥってすごいわね~、あれでも一番に瀕死だもん」
そんな事を呟きながらあるべき人物の姿を探した
「・・・???ってあっれ~~?どうして誰もいないのかしら?
達哉君はまだとしても、パオフゥは先に来てるはずなんだけどなぁ?」
その問いの応えはすぐさま返ってきた
「・・・おい天野、・・・俺は、ここだ(青筋)」
「え?」
その苦虫を噛み潰したような声は下から聞こえた
よくみると、クッションかと思っていたそれは膨大な量の服飾品に埋もれた
大きなこぶを頭に作ったパオフゥと、何故か鼻血で出血多量になっている克哉の姿だった
「ご、ごっめ~ん、まさか下にいるとは思わなくて・・・・
って何で克哉さんがいるの?(しかも失血死寸前?って此処で死ねるのかしら?)」
ようやく今度こそ起き上がったパオフゥに舞耶は訪ねた
「・・・おまえといい、周防といい、てめぇら俺に恨みでもあるわけか?
ったくよぅ・・・ん?そういやなんで周防がいるかって、そりゃ当たったからだろ?
(あ~あ、こりゃもろに落ちてきたとこ見たな?当分死んでるなこりゃ)」
パオフゥの応えに舞耶は首を横に振る
「ううん。二番目に当たったのは私だし、次はうららのはずだし・・・
克哉さんは来れないと思うんだけどなぁ?」
舞耶の応えに今度はパオフゥが疑問の声を上げる
「二番目って、こいつは俺の後にきたぜ?それに次は芹沢って・・・・・
あっ!てめぇら仕組みやがったな?」
そんなパオフゥの声を聞き流し、舞耶は倒れてる克哉を覗き込んだ
未だに血は止まらないようで、そのあたりの服を巻き込み朱の池を広げている
確かに当分気が付きそうに無かった


「おい天野!おめぇらなにたくらみやがった?芹沢もか?」
仕方なく克哉の鼻に適当な服を詰め込み応急処置(?)をして舞耶はパオフゥに向き直った
「そんな大それたことしてないって、ただLUC値上げてもらおうと思って
アイスを差し入れしただけだってば」
そんな舞耶の応えにパオフゥは先だってのあらましを思い出す


「月が昇るまでもうちょいかかるし・・・それまでアイスでも食べて待ってましょう♪」
そう言ったのは舞耶だった。
時は秋、しかしまだ暑いといえばそうもいえなくはない季節ではある
する事もなしでその提案を否定するのもめんどくさかったわけだが
結局全員うららが持ってきたアイスを食べていた
「・・・するってぇと何か?あのアイスはまさか・・・・」
「トリッシュのとこで買って来たの♪でも相かわらず高いのよねぇ、お財布痛いわ」
その一言にパオフゥは頭が痛くなるのを感じる
「でもちょっと誤算よねぇ、あれでかなりLUC値上がるはずなのに
パオフゥったらそれでも一番先に当たるんですもの、よっぽど運無いのね♪」


舞耶の笑顔の一言にパオフゥは痛恨の一撃を受けた・・・・・瀕死


「ってあら?パオフゥどうしたの?・・・みんな静かになっちゃってるし
そういえば達哉君まだかしら?」
その言葉を待っていたかのように二つの人影が落ちてきた


ぁぁぁやあぁぁぁぁねぇぇぇぇ!
きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
「あ♪」
すた!
どす!!


「達哉君!!待ってたのよ♪今日はみんなが会いたいって言ってたから・・・・
なんかそれなのに静かになっちゃたのよねぇ?どうしてかしら?」
舞耶の笑顔に体温が上がるのを必死に隠しながら達哉は呟いた
「・・・俺は舞耶姉に逢えればそれでいい」
そんな達哉に、舞耶もまた喜びを隠し切れずに頬が赤らむ
「私も達哉君に逢えるのが待ち遠しかったよ」


たわいない会話、たわいないしぐさ、二人にはそれが何より嬉しい事
世界を負った少年ではなく、世界の礎たる女ではなく
ただの少年と、ただの女・・・そこにいたのは紛れも無いそれだった


確かにそれはそれでよい事なのだが・・・時と場合という言葉がある
「・・・あのさぁ、二人の世界作ってるとこ悪いんだけど。・・何?この惨状?」
それは二人を現実へと引き戻すうららの言葉だった
・・・・・・・・惨状・・・・・・・・・
それは確かにそう読んでもおかしくない、というかそうとしか呼べない代物だった
この部屋はいまルナパレス港南における人外魔境を超えた新たなる魔境と化していた
足の踏み場も無く散乱し、すでに幾重にも層をなしている服
そこかしこに乱立する鏡
トラップのように足をすくわんとする血の池(克哉つき)
今にも腐乱しそうな金色スーツのロンゲ


「地獄か?」
そんな達哉の呟きを否定するものはそこには誰一人いなかった


「ってなんで周防兄がいるわけ?あたしが最後のはずなのに」
今更ながらに気付いたようにうららが唐突な声を上げる
「・・・・それは俺の兄さんだ」
達哉は鼻に服を詰めた瀕死の兄を見やりながら嫌そうにポツリと告げる
「・・・へ?・・・で、なんでこんなんになってるわけ?・・・それにパオも」
うららはもはやなんとも言いがたいその光景に何とか必死に言葉を絞る
「え~~っと、克哉さんは私が来たときにはもう倒れてたのよねぇ、パオフゥは
急に倒れちゃうし・・・私何か言ったかなぁ?」
舞耶の応えに嫌な予感を覚えつつ、うららはとりあえず撃沈している二人を起こしにかかった
「マーヤと達哉君はこの部屋何とかしてくんない?これじゃぁ折角の再開も祝えやしないし
・・・それにしても、向こう兄ねぇ?(どうせこんな応急処置したのはマーヤよね・・・
まったくどういう処置してるんだか・・・これだから危なっかしくて・・・掃除させてる方がまだましよね・・・誰も死なないし・・今は達哉君もいるし・・)」
うららの声にその心を知ってか知らずか達哉と舞耶は了解の意を示すと何事かを話し合い


「オメガクラスタ!」
「アルファブラスタ!」
~ハルマゲドン~


その場は綺麗さっぱり片付いていた・・・何もかも


「ふぅ~上手くいったわね、うらら、これでいい?」
使命を成し遂げたような、そんなさわやかな笑みを浮かべて振り返る悪魔に
うららは戦慄を覚えつつ叫んでいた
「・・・・・誰が吹き飛ばせって言ったのよ!!
達哉君まで一緒になって!・・・・こっちまで危ないじゃない!」
そんなうららの叫びに達哉が冷静に告げる
「でもおかげで目が覚めたみたいだ」
達哉の言葉通り二人は意識を呼び戻していた


「・・ててて、何だぁ?今度はやけにさっぱりしてやがるじゃねぇか」
パオフゥはさっきまでの事は記憶に無いのか消したのか、いつもの調子でタバコに火をつける
「???一体何が起こったんだ?・・・っ達哉!それに・・」
克哉はあたりを見回し見慣れぬ人々に困惑の色をあらわにした


世界を越えた奇妙な再開パーティー(+一名)はまだ始まったばかりだった



そして部屋の主は
だから・・ここは・・私の部屋なんだってば・・・・


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