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ここは、「Luftleitbahnen」の別館です。
Fan Fiction Novel-二次創作小説-を置いてあります。
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えっと・・・・今更自分どんなコメント付ければいいのか(汗)
当時の私の壊れぶりがまさに全開の作品ですね、コレ。
・・・・ネタ・・・です・・・以上・・・・
(自分で久しぶりに読んだんですが・・・向こう兄、ごめんなさいね)

- 満月の狂騒曲(下) -

二つの世界に張り巡らされた因果の糸
滅びを望み、滅びに導くその意思は
強き意志もつ人々によって断ち切られた
それは忘れえぬ記憶、知られざる真実
それを成しえた人々が(一名は世界が違うのだが)今この場には集っていた


世界を守った意志強気人間・・・・そのはずであるのだが


「だぁらさっきから言ってるだろうが!俺らは達哉の知り合いだって・・
何で俺にばっか銃向けてんだよてめぇは」
二人が目を覚ましたことで、ようやく一段落ついた一行は
今更ではあるがそれぞれの再会と、新たな出会いに言葉を交わしていた
とはいえ事情をまったく知らない克哉に、すべてをこの場で話すこともできず
パオフゥとうららはともに達哉の知り合いということで何とか取り繕ったのだが
「貴様のような見るからに怪しい男が達哉の知り合いだということ自体が疑わしいが、
達哉自身がそう言っている以上それは信じよう・・・・・だが・・・・・
これ以上達哉を苦しめるような危険のあるものは早めに摘んでおかんとな・・・・」
正気を取り戻したように見えた克哉だったが
出血多量の後遺症の所為か、血の回らない頭で立派に支離滅裂なことを言いながら
パオフゥに絡み始めていた
「だから何で俺ばっかに絡むんだよ!?刑事が人を見た目で判断して良いのかってんだ
ったくよぉ、酔ってんのかっててめぇは?あぁ?」
そんなパオフゥの言葉に克哉はゆっくりとにじり寄りながら
「・・・そうさ、僕は刑事さ・・あぁそうさ、どうせ誰一人助けられない刑事だよ!」
二人の間に流れる空気が見る間に張り詰めたものへと変わっていく


一方、壊れた克哉を興味深げに見ていたうららだったが
さすがに止めねばやばいと思い始め
「ちょっ周防兄!何一見まともそうでぶっ壊れたこと言ってんのよ。
パオ!あんたもよ!売り言葉に買い言葉で挑発するなっての!
・・・もぅ・・・達哉君!これどうにかしてよ!」
ある意味唯一の方法とも最後の手段とも言える助け舟を求め
二人の方を振り向いた・・・・が


「舞耶姉、少し顔色悪くないか?大丈夫か?」
達哉は少しやつれたように見える舞耶の顔を覗き込み、心配そうな声で告げる
「うーん、最近忙しかったからなぁ。一応これでもジャーナリストだからね・・
あっ!でもビックニュースだよ!今度の企画、編集長からOK出たのよ♪
ここはもうおねーさんの腕の見せ所ってとこかな?」
舞耶はくすりと笑みをこぼし、未だ心配そうな顔をしている達哉に続ける
「・・・・でも心配してくれてありがとう。ちゃんと気をつけるようにするね
達哉くんの方は怪我とかしてない?まだそっちは悪魔とか出るんでしょ?」
言いつつふいに舞耶はその笑みを曇らせると
「・・・・・ごめんね、私、達哉君に何もしてあげられないね・・」
達哉に向かいすまなそうに謝罪の言葉を口にする
そんな舞耶の言葉に達哉はかぶりを降って言葉をさえぎる
「そんなことない・・舞耶姉は俺にいろんなものをくれたじゃないか
・・・・・それなのに俺のほうこそ、舞耶姉をもう守れない・・・」
そういい達哉もまたその顔を曇らせる
静かな沈黙が支配する
舞耶は達哉にこんな顔をさせてしまった自分を叱責しながら
達哉に向かい笑顔を向ける
「そんな顔しない!ね?レッツ・ポジティブシンキング!
こんなスリリングな事、達哉君と出逢ってなきゃ出来なかったよ
私は達哉君と出逢えない方がもっと辛いよ・・・だからそんな顔しないで
私は達哉君の笑顔が見たいな?」
そんな舞耶の言葉と笑みに、達哉は自分の中の罪悪感を洗い流してくれるやさしさと
言いようのない感情とに自分の顔が熱を持つのを感じ、慌てて俯いた
そこはもはや二人だけの世界だった


・・・・・・またこの二人は・・・・・・
うららは心の声を押さえ込みながらその隔絶された世界に現実の風を吹き込ませた
「もう!それは分かったからさぁ、こっちをどうにかしてよ!」
その叫び(?)声にようやくその場に流れる重苦しい雰囲気に気付いた二人だったが
壊れた克哉を見つめながら、舞耶は思い出したように達哉に疑問の声を上げた
「・・・そういえば何で克哉さんがここに来たの?」
達哉はその舞耶の言葉にふとここに来る時の克哉の言葉を思い出していた


「・・・ふ、おまえの方こそ目的を忘れてるんじゃないのか・・」


思えば克哉の行動はどう考えても自分を制止するためではなく
ここに来るためのものだった
達哉は何かいやな予感を感じつつ一応壊れた兄を止めようと
ため息混じりに言い放つ


「・・・兄さん・・その人は本当に俺の知り合いで、恩人だ。
そんな人にもちろん手なんか上げないよな?」


ある意味脅迫とも取れるような達哉の言葉に克哉の動きは一瞬にして止まっていた
「・・・達哉・・この人が・・恩人なのか?本当に?
もちろんそれなら話は別なんだが・・・・僕の知らないところでおまえは一体何を
していたんだ?・・・それにどうして僕に言ってくれないんだ?
僕はそんなに不甲斐ない兄なのか?・・僕は・・僕は・・」
まだ血が巡ってないのか、無意識の海に引きずられたのか
克哉はいつのまにか心の奥底の言葉を吐き出していた


「・・・・なんか向こう兄ってさぁこっちよりブラコン度が増してない?」
そんな克哉を見つめながらうららもまた心の底からの感想を述べる
「しかたねぇんじゃねぇか?なんか向こうの方が事情も込み入ってそうだしよ
それに何より向こうにゃ天野がいねぇんだろ?
それじゃぁ尚更ってやつじゃねぇか?達哉の毛嫌い振りも分かるってもんだな」
いつのまに避難してきたのかうららの横でタバコに火をつけながら
パオフゥがやれやれと言った様子で一息つく
「はぁ、ほんと、こっち兄に対してたときのほうがまだ達哉君の態度ましだったもんね」
うららもまたパオフゥに同意の意を示すと、これまたあきれたような
あきらめたような言葉で答えながらタバコに火を移す
そしてこちらもふと気付いたように、二人同時に顔を見合わせ呟いていた
「・・そういや(そういえば)、何で向こう周防(兄)がここにいるんだ?(いるの?)」


舞耶の質問と二人の呟きもあいまって、達哉は未だ一人で暗くぼやきをもらす克哉に
あのせりふの意味を知るため(知らないほうがいい気もしたが)の質問を口にした
「兄さん何でわざと俺の邪魔をしたんだ?ここに来るのが目的だったんだろう?」
そんな達哉のせりふを聞き、今まで他の人には見えない何かと語りに入っていた
克哉だったがここに来た本来の目的を思い出していた
克哉は自分に注がれている視線を気にもとめず、舞耶に真っ直ぐ歩み寄ると
「・・・以前港南署に来られたときから思っていたのですが・・・」
少し考えながら克哉はためらいがちに口を開いた


克哉の言葉にその場の雰囲気が言葉に代えがたい緊迫感を持つのを感じながらも
パオフゥとうららは興味無さげな顔をしつつ、興味深げに聞き耳を立てた


達哉は誰が見ても分かるくらいにその表情を変えながらも
拳を握る手のひらに爪を食い込ませ、克哉の言葉の続きにその全神経を傾けた


舞耶は突然の克哉の言葉にただ呆然と見つめていた


周りの雰囲気を分かっているのかいないのか、克哉は相変わらず
言葉を詰まらせながら続ける
「・・・その・・・貴方がどちらにお住まいかも知りませんし、
実際、先日ここでお会いするまで忘れていたといっては失礼なのですが
・・・あの失礼ですが貴方は達哉と、その・・・交際していらっしゃるのですか?」
顔を真っ赤にして克哉はうつむきながら、言葉を出す


同じように顔を真っ赤にしながら(持ち合わせている感情は大分違うのだが)
達哉は克哉に向かい短く叫ぶ
「・・・まさか・・兄さん!?」


うららとパオフゥはもはや興味無さげどころか身を乗り出して
爆発寸前のその場の行く末を見つめていた


舞耶は未だ呆然と克哉を見つめ、答えるどころではなかった


達哉の叫びも聞こえなかったのか、舞耶の答えを待つ間もなく、
克哉は決心したように顔を上げると、まっすぐ舞耶を見つめ凛とした声で告げた


「達哉と付き合うなら、まずは交換日記からにしていただきたい!」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


まるで切り取られたかのような沈黙がその場を支配する
もはやだれも言葉を出すどころか、息をすることさえできなかった


長い沈黙の後、ガラス張りの密室を叩き壊したのは嵯峨 薫改めパオフゥその人だった
「・・・て、てめぇはいつの時代の人間だ!?」
ある意味期待(?)を裏切られた怒りからか、先ほど絡まれた腹いせからか
パオフゥは容赦の無い突っ込みで克哉につかみかかっていた


「良かったわねぇ、達哉君。恋敵が増えなくてって・・・・
あれはあれで結構やばいわよねぇ・・・ってかなりやばいか。
でもここまで壊れてりゃそれはそれで立派よねぇ?」
感心してるのか、けなしてるのか分からないせりふでうららが達哉に言葉をかける
もはや脱力した達哉は答える気にもならなくなり
血のにじんだ手のひらを呆然と見つめた


当の舞耶は得意の前向き思考からかは分からなかったが、何事も無かったかのように
達哉のそばに歩み寄ると血のにじんだ手のひらに驚愕の目を向けると
すぐさま回復の言葉と別心を発動させた


ただ1ついえる事
それは無益な骨肉の争いが回避されたという事・・・それだけだった


あきれてものも言えない3人を尻目にどうしようもない大人たちは
大人とは思えない次元で言い争っていた
「交換日記の何が悪いんだ?昔から清い交際は交換日記からと決まっているじゃないか!
大体達哉の恩人というから信用しようと思ったばかりなのに・・・・・・
さっきから随分と失礼なことばかり言ってくれるじゃないか?」
克哉も負けじとパオフゥに食い下がる
「何が清い交際だぁ?今時そんなもんやる奴がどこにいるってんだよ?あぁ?
大体世界が違うってのに出来るわけがねぇじゃねぇか」
パオフゥはもはや馬鹿にした口調で言いはなった
「?世界が違う?どういう意味だ!うちの達哉が天野さんと釣り合わないって言うのか?
確かに弟はそれなりの事件を起こした事もあるが・・・それだって理由があったからだ
僕だけならともかく、達哉のことまで馬鹿にするなんて!もう許さんぞ!!」
勘違いもはなはだしく克哉はもう止められないといったように再び銃を構えなおす
「上等じゃねぇか!てめぇこそさんざ人を怪しいだの何だのと言いやがって
果ては勝手に勘違いした末に逆切れってか?それこそはやんねぇんだよ!」
パオフゥもまた再燃した先ほどの怒りに指弾を構え克哉に向き直る
まさにささやき程度の風でさえ途切れるほど、緊張の糸は細く長く張り詰めていた


そんな糸を弾いたのは他ならぬこの人物(?)だった


「・・・だ・か・ら・・こ・こ・は・・・わ・た・し・の・・・・
・・へ・や・だーー(ハルマゲドン・R)!!」


意識と無意識の狭間、人々の集合無意識の海、普遍的無意識の間
様々に呼ばれ、普遍にして、形を持たぬそれは
全てを飲み込む光芒を放つ


光が消えたその後にその場にいたのはただ一人
こんがりと狐色に焼き色のついた怪獣
その足跡も生々しくすすけた仮面を身に付けた怪獣は
一人頬を濡らしながら呟いていた
「・・・もう二度と来るな(涙)・・・」
っと


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
追記
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


約束の時間にはまだ間があったのだが克哉と南条が戻ってみると
そこには青白い顔をしながらも、目を覚ました三人が虚ろな瞳でこちらを見ていた
「!!みんな何か有ったのか?」
克哉は予想しなかった事態に驚きつつも血の気の無い三人に向かい
回復の言葉と別心を発動させる
「自力で戻ってきたのですか?それともフィレモンに戻されたのですか?」
南条もまた理解し損ねる事態に冷静に疑問を口にした


「半分あたりで、半分はずれだ・・・なぁ芹沢?」
押し殺した声でパオフゥが告げると
うららもまた同様の声音で言葉を発する
「そうよねぇ、誰の所為ってわけじゃないわよねぇ、きっと・・・」
二人の放つオーラに嫌な予感がした南条は未だ何事かを考えている舞耶に向かい
話題をふった
「かの少年とは会えましたか?」
南条の声に舞耶はようやく顔を上げると
こちらは笑顔で応えてきた
「ええ♪まっ、ちょっとアクシデントもあったけどね」
舞耶は正直そう応えると再び何かを考え始めた


何故かこちらを見る目に痛いものを感じながら、克哉はパオフゥとうららに問い掛けた
「達哉は、あいつは元気そうだったかい?」
そんな克哉の声に二人は決して目の笑っていない笑顔で応えてきた
「それなりに元気そうだったわよねぇ?パオ」
うららは静かに答え、相棒に同意を求める
「まっ、誰かさんのおかげでそれなりには苦労してそうだけどな、芹沢」
パオフゥもまた此れに応えて同意する
背中に悪寒を感じた克哉は早々に帰ったほうがいいかもしれないと思いながらも
舞耶に向かって聞き直した
「・・えっと、天野君。何か有ったのかい?それにあいつは元気だったのかい?」
再び考え込んでいた舞耶は結局良い案が浮かばなかったのか
克哉の質問に顔を上げると逆に聞き返していた


「ねぇ克哉さん?交換日記って何?」


白んだ東の空を名残惜しく見つめながらも、真円の銀光は解放された喜びに
震えているようだった


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
その少し前向こう側では
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「敵が出たって言うから来て見たのに・・・」
ゆきのはまたかと言った表情を浮かべポツリと呟いた
「今日は満月だから・・・」
杏奈はどうでもよさげな、それでいてあきれたような声で応えた
「それにしても、今回はまた派手にやったね・・・・
って何で周防は果物ナイフなんて持ってんだい?あいつの獲物は日本刀だろ?」
ふと気付いたようにゆきのは達哉の手元を見て告げた
そんなゆきのに無表情な声で杏奈が答えた
「・・・・・交渉に失敗したって言ってた」
「え?」
杏奈の応えの意味がわからずゆきのは杏奈を振り向き聞きなおす
「新作のものまねしたら悪魔が怒ったって・・」
もはや先の応えが分ってはいるものの、ゆきのは勤めて冷静に杏奈の応えを促した
「つまり、この果物ナイフは・・・・」
「伝説の果物ナイフ」
再び無表情に杏奈が告げる


ゆきのは静かに歩き出していた
杏奈もまたそんなゆきのの後を追い静かに歩き出していた


緋の色に包まれた2つの瀕死体を残し、                                           銀の円光はもはや消え行こうとしていた


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