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ここは、「Luftleitbahnen」の別館です。
Fan Fiction Novel-二次創作小説-を置いてあります。
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前回のはプレイ日記と言うよりもキャラ紹介で終わってますな。
というわけで、もう少しSS風。

とりあえず、キャラの性格は私の勝手な位置付けですからいいとして(?)
起こった出来事は実際のプレイからとってます。
ではでは、今宵は翠緑の樹海B1Fです。


え?結局クリアしたかって?それはまた、別のお話www

∞―――――――――∞ 正直大丈夫か?   ∞―――――――――∞

 
あの冒険の顛末を語ってくれって言われてもなぁ。
う~ん、思い出話ってのは基本苦手なんだけど。

あぁ、紹介が遅れてすまない。
私はSir。
サーって呼んでくれればいい。
(昨日の話は忘れた方がいい、あれは色眼鏡も甚だしいからね)


まぁ、いろんな成り行きっていうのかな、
私たちはそれぞれの理由もあって、あのエトリアに辿り着いたわけだ。
ここまでにも色々あったけど、それは割愛するよ。面白い事でもないからね。

で、着いたは良いけど件の迷宮に挑むには少々問題があったわけだ。
まぁ、今思うとそんな大した事でもなかったかもしれないけれど、
当時は大騒ぎだったよ。

まずはギルド。
これはまぁ仲間で立ち上げればよかったんだけどね。
なんていうか、リーダーがアレなもんでね。
登録とかにえらくもめたもんだよ(遠い目)
アイツは決して譲る所がないからね、困ったもんさ。

でもまぁ、それも一旦登録してしまえば既成事実だからいい。
問題はもっと切実でね。
あの時点で、私たちは路銀がほとんど尽きた状態だったんだ。
はは、騎士としてこれほどの恥はないんだが・・・・
聖騎士の剣までアイツに売っぱらわれてしまってねぇ。
それほど切迫していたのなら仲間のためにも仕方ないと思ったさ。
でも、私は見ていたよ。

アイツがいつのまにか杖を持たずにナイフを脇に差していることを・・・・
はぁ


まぁいいけどさ。
済んだ話だし。


そんなわけで、装備も心もとない状態でそれでも気持ちだけは期待に膨らんで迷宮へと足を踏み入れたんだ。


そこは、全てが手に入る場所。
そう誰もが信じていたからね。

その時は、まだ誰も疑わなかったんだよ。




~【B1F】欲望(希望)に満ちた冒険者が踏み固めた大地~

執政院にギルドとしての正式採用を認めてもらうため、
私たちは迷宮のB1Fに居るという兵士のもとへと赴いたんだ。


そこはまさに樹海と言う言葉通りだった。
右も左も、上も下も翠、緑、碧。
生い茂る木々の葉に木漏れ日さえも遮られ、敷き詰められた濃密な生の気配に息苦しささえ感じたのを覚えている。

思った以上に、ここはとんでもない場所かもしれない。

一見綺麗で平和に見えるからこそ、そんなことをぼんやりと思ったものだ。



「地図を作ってきてくれ」

そんな私たちに命じた兵士の言葉は至極完結だった。
マッピング。それは冒険の基本中の基本だ。

今更とも思ったが、どのみち探索をするのだから同じことかもしれない。
私たちは早速この樹海の地形を頭に入れることを目的に歩を進めた。


表層と言っていい辺りだったこともあってか、比較的作業は順調だった。
とはいえ、狭い路や足場の悪い場所も多く、精神的な疲労を色濃く感じた。

冒険で一番恐ろしいのは集中力の低下だ。


気配一つを読み間違えれば、死にすらやすやすと近づいてしまう。



そう、思えばあの時がそれだった。


地図作りをはじめてどれ程のときがたった頃だろう。
清涼な湧き水の湧くポイントを中心に探索を進めていた私たちだったが、
アイツがこんな事を言い出だしたのがいけなかった。

「飽きた」

正直耳を疑った。
いつもの事とは言えるが、いきなり何を言い出すのかと。

「確かにこの水は気持ちがいいし美味いけどさ、僕植物じゃないんだよね。
 水じゃ腹は膨れないんだよ」

そう言い放つとさっさと荷物を纏め始めたのだから頭が痛い。
これでリーダーだというのが・・まったくもって・・・

いや、辞めておこう。
誰しも命は大切にしたいものだ。


何はともあれ、その一言で私たちは拠点を移す事になった。
途中、珍しい木の実に舌鼓をうつこともあったり、
かつての冒険者の残骸をネコババするようなことがあった気もするが、
きっと気のせいだろう。

そして見つけた拠点になりえそうな場所。


そこは少し開けた小さな花園のようだった。
鬱蒼とした木々に多少の嫌気が指していたこともあり、
また花々の芳しさに緊張が一瞬緩んだのは事実だった。


チリリとした微かな痛みが喉を襲った。
私は盾を振い大気を弾いた。

一瞬後には禍禍しい様相の顔ほどの大きさの蝶に囲まれていた。

先ほどの微かな痛みを思い出すに、きっと毒。
そう判断したのは私だけではなかった。

盾を構えたまま、後ろの気配に私は僅かに右に移動する。
私の居たであろう場所を、しなやかな鞭の一閃が蝶へと叩き込まれる。

鞭のしなりは風をおこし、燐粉を撥ね付ける。
私も盾を掲げ、PTをゆっくりと風上へと移動させていく。

その間も軽やかな旋律が集中力を高め、気力を上げる。
火薬の匂いが鼻腔を刺激し、派手な火の粉を撒き散らす。

その時、喉の痛みが先ほどの数倍に跳ね上がった。
どうやら燐粉を吸い込んでしまったらしい。
咳き込むのを唇を噛んで堪えながら、なんとか姿勢を保持する。
残りは後1匹、今倒れるわけにはいかない。

剣で体を支え、盾を叩きつけ風を起こす。
少なくとも、私はPTの要たる騎士。
仲間を守る使命こそが絶対だった。

見据える蝶はその羽から精彩を欠き、触覚も1本は落ちていた。
一撃も与えれば死に至るのは確実に見えた。

私は戸惑った。
ここで剣を振るべきか。
PTをかばいつづけるべきかと。


だが、その思考は思わぬところで決定された。


「サー、今だ!」


アイツの声が聞こえた。


私は、その声に命じられるままありったけの気力で剣を一閃していた。







あの時は、本当に油断したと思っている。
たかが蝶、されど蝶だ。

はは、こんな情けないことを白状するのは気がひける。
まぁ、でも事実を認めない事には先にも進めないのだから仕方ない。

その後、私たちは花園でようやくの休憩を取った。
その時に聞いた台詞は、今でも覚えている。


「え?解毒?もちろんできるよ」


その言葉に、私はアイツに抗議の声をあげようとした。
しかしその言葉が出るより早くアイツは事も無げに言い放った。

「でも、戦闘中のやつを解毒できるほどの余力なんてないね。
 それだけの薬があったらこんな所で貧乏PT組んでないって。」

はは、確かに・・・
なんか、哀しくなったのも覚えている。


そんなこんなで、私たちは始めての依頼とはれて迷宮を冒険するに値する資格を得たのである。



正直、こんな始まりだったことを思い出すと自分に問いたくなってくるものだ。

なんでこんなPTで大丈夫だと思っていたのかと。
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