【ペルソナ３】 小話 参

スランプ中・・・・
でも、だからと言って書かないと、文章って書けなくなるしって事なので。
拍手ネタに入れるべき短さですが、まっとうな更新がこちらになかったので、
こちらにあげました。
一応ギャグです。笑って貰えればいいんだけど・・・うぬぬ。

久々にテキストを・・・すんません、
なんかスランプというか・・・どうにも文章かけなくて。
物凄い試行錯誤中の中のお話なので、色々変だと思います。
それでもよければ、という事で。ちなみに凄く短いです。

設定としては両生存のギャグ話。。
荒垣復学＆寮生活続投中。（あんまこの辺関係無いけど）
小咄壱の続きの世界のどこか。多分。

∞―――――――――∞　小話　参 (夢中)  ∞―――――――――∞

ぷー　ぷー

そんな音が聞こえてきそうな、午後の一時。
荒垣の眼下では、透流が幸せそうに眠っていた。



ここは巌戸台分寮のダイニングである。

休日という事で、久々に昼過ぎまで惰眠を貪っていた荒垣は、つい先ほど欠伸と共にラウンジへと降りたったばかりであった。
大扉横の窓でも開いているのだろう。
穏やかな空気の流れが頬を霞め、常よりも鮮やかな音が耳に響いて来る。

（・・・寝すぎちまったか？）

既に太陽は天頂を過ぎているらしく、ラウンジには誰の姿も見当たらない。
当たり前かと思いながら、珈琲でもいれようとダイニングへと足を向けると・・・


そこには、テーブルに突っ伏して、眠り込んでいる透流の姿があった。
ご丁寧に、足元にコロマルまで熟睡モードで寝そべっている。


（・・・ったく、無防備すぎんだろが）

呆れと、苛立ちが綯い交ぜになったような、そんな感情が荒垣の中に沸き上がったのだが、しかし、それも一瞬の事。
透流の口からこぼれ落ちて来た、ぷすぷすと言う不可思議な寝息に、荒垣は小さく吹きだしていた。

「動物か？お前は」

小さく呟きながら、その目を穏やかに細めると、荒垣はゆっくりとした歩みで透流に近付いた。
どうやら、雑誌を読んでいたまま眠ってしまったようだ。
タウン誌らしきモノの上に突っ伏して、なんとも幸せそうな顔を浮かべている。

（仕方ねぇ奴だな・・・風邪でもひいたら・・・って・・・なんだこれ？）

何気なく覗きこんだ荒垣の目に、『プリンの神秘。その謎多き世界に迫る！！』と書かれた見出しが飛び込んできた。
至極どうでもいいことではあるのだが、妙に頭に引っかかるフレーズである。
いやいや、オカシイだろうと心で突っ込みを入れたその瞬間、再び目に飛び込んできたのは、まるで深山の如く聳え立つプリンの写真だった。

（・・・誰だよ、こんなのタウン誌に載せた馬鹿は）

十中八九、合成だと思しきソレに呆れた表情を浮かべた時、何故か唐突に思い出したのは半年以上も前の事だった。


『バケツでプリンが食べたいです！！！』

（そういや、そんな事言ってやがったな）


苦笑を浮かべて見下ろせば、それこそ写真のプリンを食べている夢でも見ているかのような透流の寝顔。
その妙に合点の行く表情に、荒垣は小さく喉の奥を鳴らした。

（ほんっと、ガキだな）

食べ物一つで、ここまで嬉しそうな顔が出来る人間を、荒垣は他に知らない。
その姿がおかしくて、それが何より愛しくて、荒垣は無意識にその指を伸ばしていた。


ふにぃ

ツンとばかりに頬をつつけば、再び不可思議な寝息があがる。
プリンよりは弾力のある、けれどプリン同様に滑らかな頬が荒垣の指を心地よく押し返した。
しかし、よほど陽気が気持ち良いのか、それとも夢の中のプリンが魅力的なのか、透流は全く起きる気配を見せはしない。

くくっ

再び喉の奥で笑うと、荒垣はツンツンと透流の頬を何度も突付いた。
その度に、ふにふにとかむにむにとか、可愛らしい鳴き声（？）をあげながらくすぐったそうに透流が小さくその身を揺らす。

（可愛い奴だな）

そんな風に思いながら、今晩のデザートにプリンでも作ってやるかと算段をしていた時だ。

ハクっ！
「な”！！」

油断していたと言えば確かにそうではあったのだが・・・
眠ったままのはずの透流の口が、悪戯を続ける荒垣の指をパクリと咥えてしまったのである。

「ば！・・・って、寝惚けてんのかよ！」

半ば動揺状態になった荒垣の指を、それでも未だ夢の中を漂ったままの透流が、はむはむと美味しそうに甘噛みを繰り返す。
その柔らかな唇の圧力、指先に触れる艶かしい舌の感触。そして、何より一層深まっていく嬉しそうな、幸せそうな表情。

荒垣は一瞬にして、全身の毛が逆立ち、理性という名のリミッターが砂の城の様に崩壊していくのを感じとる。
自分の中で、コップの水が今まさに溢れんとしたその時だ。

「ウォゥ！」
「うぉ！！」

唐突に足元から上がった声に、文字通り荒垣は飛び上がっていた。
実の所、透流の足元で一緒になって眠っていたコロマルが、寝ぼけて吼えただけだったのだが、そんなことは荒垣には分かろう筈もなく・・・・
動揺は混乱へと変化すると、あっちにぶつかり、こっちで何かを倒しながら、派手な音をひき連れて、荒垣の姿を神風よろしくキッチンへと掻き消していた。



「ふみ？」

一瞬響いた激しい衝撃音に、透流はぼんやりと目を開けた。
心なしか、何か口寂しい気がするのだが・・・
しかし、それも束の間の事、何か、とても幸せな夢を見ていたと思う彼女は、そのまま再び夢の中へと意識を落としこんでいった。


「ごちそうさまぁ」


そんな寝言を溢しながら。




その後、買い物から帰ってきた風花は、相変わらず幸せそうに眠っている透流を尻目に、買って来た食材を冷蔵庫へ入れるべくキッチンへと向かったのだが・・・
閉ざされた扉から漂ってくる何とも言えないオーラに、何故か中に入る事ができなかったと言う。







余談


－その夜－


「なぁ・・・なんなの？？これ」
「さぁ・・・」

困っていると言うよりは、意味が分からないという表情を浮かべて順平が問えば、珍しく突っ込みもいれずにゆかりが答えた。
それも仕方の無い事かもしれない。
ゆかりの顔にも、順平同様の表情が浮かんでいたのだから。

二人の目の前には、巌戸台分寮の冷蔵庫。
元がホテルであった名残のためか、キッチンに備え付けられたソレは、住人の数には分不相応なほどに巨大な業務用のものである。

『いいから食え！！』

そう書かれた付箋が貼られた扉の中は・・・・


上から下まで、プリンがぎっしり詰っていた。






さらに余談

プリンの神秘か、世界の謎か・・・
不思議な事に、翌日の昼過ぎには、すっかりプリンの山が消えていた事は言うまでも無い。

∞――――――――――――――――――――――――∞
やはり、うちのハム子はギャグだと・・・。
仕事で一杯一杯になってた時に、ふと思い浮かびました。
とはいえ、思ったように今文章書けないのが悔しい。
書きたい事が表現できないのは、悔しいですねぇ。