リクの特権ってしってますか?
これをいち早く読める事なんですよ!!!
きゃ~~~~(/ω\)
というか、まぁ・・・先週、一杯一杯で仕事してた時の私のオアシスでした。
というわけで、完結したので皆様にもと。
ほんと、素敵過ぎて、私の言葉ではなんと言って良いのか。はふぅ
acqua様のサイトはこちら -acquaのネタ帳!!-
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∞―――――――――∞ 喪失 06 ∞―――――――――∞
影時間。
タルタロスのエントランスで、荒垣は装備を整えた。
その手には、髑髏を戴いた、杖。
あまりにも高い、破壊力故に、荒垣は殆ど手にしない専用武器。
今夜は、それを、得物に選んだ。
悪魔の王たるペルソナを素材に、作り出された其れは、荒垣の本能を呼び起こす。
死神の、死への誘い。
荒垣が、最も欲する、その誘惑に、打克つ為に。
彼女を、死神から、取り戻すために…。
荒垣は、そっと視線を巡らせ、アイギスと手を繋ぎ、静かに目を閉じている彼女を見つめる。
怖いだろうと思う。
不安だろうと思う。
だが、彼女はここへ来た。
自分を取り戻す可能性に賭けるために。
それは、数時間前のこと。
部屋にこもっていても退屈だろうと、荒垣は外へと彼女を連れ出した。
コロマルを連れて、長鳴神社へと向かった二人は、境内で、コロマルを放すと、ベンチへと腰掛けた。
透流は、嬉しそうに走り回るコロマルを、楽しそうに見つめていた。
その笑顔は、いつもの、透流の笑顔で、荒垣は、切なくなった。
--こんな状況だってのに、お前に触れたいって想うのは、やっぱ不謹慎ってヤツだよなぁ…。
じっと見つめていた、荒垣の視線に気付いたのか、透流が荒垣を見上げてくる。
何かを…、言いたげな、その視線。
「…何だ?」
「訊いても、良いですか?」
「ああ。」
「荒垣…さんは、透流…の、恋人さん、ですか?」
透流は、自分の事だというのに、まるで他人の事だとでも言う様に、そう、口にする。
「…そう、見えるか。」
「え?あっ、違ってたらごめんなさい。」
「…。」
「…でも、荒垣さん、すごく優しくて…私にも…。」
「…記憶がなくても、お前はお前だ。
そうやって、気をつかうところも、その、笑顔、も。」
どうしようもなく、愛しい…。
荒垣は、透流の肩に腕を回して抱き寄せると、唇を…重ねた。
腕の中の、透流は、唇が触れた瞬間こそ、戸惑いを見せたが、ゆっくりと、荒垣に身体を預けて来た。
その、華奢な身体を、抱きしめ、深く口づける。
不安を抱え、それでもなお、他人を想い、微笑もうとする、透流。
ずっと、守ってやりたい…。
そんな、想いを、抱いた瞬間、荒垣の脳裏に、フラッシュバックする、光景。
我に返った荒垣は、慌てて透流の身体を離す。
--ずっと、守る事なんざ出来ねえってのに…、俺は…。
「悪ぃ…、俺は…。」
「どうして、謝るんですか?
私、嫌だったら、ここに、こうしていません。」
真っ直ぐに、自分を見つめる、その瞳に、荒垣は圧倒される。
記憶を失う前の、透流なら、こういう時、はっきりと言わずに、自分の中に抱え込んで、笑顔を向けてきただろう。
そんな透流に、いつもは歯痒さを感じていた。
荒垣が抱えている葛藤、透流自身が抱えている不安、SEESの存在、ペルソナ…、様々なものが、透流に、素直に自分を出すことを遠ざけさせていたのだと、改めて、気付く。
「ふ…、お前、やっぱはねっかえりだなぁ。」
荒垣は、透流を抱き寄せて、口づけた。
軽く、唇を、合わせるだけの、口づけ…。
透流を、抱き寄せたまま、荒垣が、口を開く。
「…記憶、取り戻してぇか?」
「はい。」
「それが、辛い記憶、でも…か?」
「…はい。」
「…今夜、お前を、連れて行きたいトコがある。
怖い思いを、させることになると、思う。
だが、お前は絶対に、守る。」
「…はい…。」
「俺を、俺達を、信じてくれ。」
それきり、荒垣は口をつぐんだ。
--信じてくれ、か。
そんな言葉一つで、タルタロスへと連れて行こうと言うのだ。
我ながら、酷い事を、考えるもんだと、思う。
だが、透流は…、透流の記憶は、あの中に在るのだ。
それが、確信できてしまった今、他に道はない。
そう…思う。
アイギスなら、彼女が傷つかないように、己の身体で、攻撃を受け止めるだろう。
美鶴も、同じだ。
そして、自分も。
『…俺の命くれぇじゃ、見合わねえんだが、必ず、取り戻してやる。』
声には出さず、呟き、透流を抱きしめる腕に、力を込めた。
「私は…、貴方を、信じます。
だから、連れて行って。
一緒なら、どんな場所だって、きっと、怖くないから。」
「透流…。
お前は、俺が、守る…。
だから、何が起こっても、その目を、しっかり、開いてろ。」
「…はい。」
透流の目を見つめ、荒垣が告げると、透流もまた、真剣な眼差しを向けて、頷いた。
その表情には、決意が、あった。
「いいか、行くぞ。」
美鶴と、風花、そしてアイギスと透流に向かって、荒垣が声をかける。
この、作戦に関しては、荒垣が、リーダーだ。
ゆっくりと、転送機へと向かう四人を、仲間達は見守る。
誰もが、沈黙する中、転送機へと、荒垣が手を触れようとした、その時だった。
「必ず、全員で無事…戻って来てください。」
…天田だ。
震える声が、天田の精一杯であることを、物語る。
「…大丈夫だ。」
荒垣は、天田を振り返り、不敵な笑みを浮かべると、それだけを口にした。
そして、四人の姿が、エントランスから消えた。
「山岸。」
『はい。確認中です。』
「とりあえず、死神を待つ。」
『…はい。先輩方二人では、ギリギリの戦いになると思います。
アイテムは、惜しまず使ってくださいね。』
風花の声には、不安が色濃い。
そう、先日の死神との戦いでは、彼女を含め、四人でギリギリの戦いだったのだから、無理もない。
「…ああ、分かってる。」
荒垣は、決意を胸に、頷く。
「透流。」
「…はい。」
アイギスに、手をひかれながら、歩いている透流に声をかけると、彼女は、真っ直ぐに荒垣を見つめ返してきた。
「…適当なシャドウと戦闘に入る。
ここいらのは、レベルが低いし、後で見ておけ。
…本番でびっくりしねえように、まぁ、練習だ。」
彼女が、頷くのを確認した荒垣は、丁度、通路の奥にいるシャドウに狙いを定める。
気配を消して、後ろから近づき、骸の杖を、振り下ろした。
闇に、包まれる四人。
目の前に、数体のシャドウが、その姿を現す。
マーヤタイプのシャドウ。
荒垣は、アイギスが彼女を背に庇うのを確認すると、美鶴を見る。
一瞬の視線の交錯。
荒垣は、目の前のシャドウに身体を向け、駈け出すと、その勢いのまま、シャドウを横なぎにする。
途端、空気が、裂け、熱風が起こる。
その向こうで、美鶴が、ペルソナを召喚した。
急激に、冷やされた空気が、シャドウを襲う。
荒垣の攻撃によって生み出された熱と、美鶴が放った冷気。
相反する力が、ぶつかり合い、凄まじい風が、起こった。
荒れ狂う風に、シャドウの身体が、裂けていく。
風が、止んだ時に、透流の視界に見えたのは、空中に、霧散していく、影、だった。
「…大丈夫か。」
透流を、振り返った、荒垣は、穏やかで優しい瞳をしていた。
彼女は、荒垣の、その声に、その瞳に、安堵をおぼえる。
「平気です。
何かあったら、ちゃんと、アイテムだって、使ってみせますから!」
笑顔を返しながら、そう、口にする彼女に、荒垣は一瞬目を見開いた。
カツ、と靴音を響かせながら、近づいて来た荒垣は、すっと手を伸ばすと、透流の前髪をくしゃっとかき混ぜた。
その顔には、笑みが浮かぶ。
「記憶があっても、なくても、お前はやっぱ変わらねえ。
…とんだはねっかえりだ。」
くつくつと、喉を鳴らしながら、それでも、優しげな視線を彼女に落とし、その頬を指でなぞる。
「もう、二,三回仕掛けたら、後は待つか?」
「そうだな。無闇に戦闘をしかけるより、ウォーミングアップ代わりにして、体力を温存しておくべきだろう。」
荒垣と美鶴は、顔を見合わせ、方針を確認する。
シャドウを避けつつ、宝箱を回収して回る。
脱出ポイントと、階段を確認し、とりあえずは脱出ポイントのすぐ近くにある、辻を、戦闘場所に選ぶ。
どちら側から、死神が現れてもいいように警戒しつつ、身体を、休める。
微かに、風が、起こるのを、感じて荒垣が顔を上げると、透流が、視線を向けて来た。
--わかんのか…。
荒垣は、透流に頷き返すと、骸の杖を握りなおす。
美鶴と、アイギスが、荒垣の、その様子に、自らも態勢を整えた。
『…来ます!』
風花の緊張した声が、死神の到来を、告げる。
「…行くぞ。」
「ああ…。」
荒垣は、鎖を引きずる様な音がする方へと身体を向ける。
そして、美鶴も…。
現れたのは、”刈り取る者”。
死神属性をもつ、シャドウ。
普段ならば、逃げの一手を打つ相手だ。
だが、今夜ばかりは、待ち望んだ、邂逅。
口の端を歪め、不敵な笑みを浮かべた荒垣が、ゆっくりと一歩を踏み出す。
必ず、倒す。
倒して、取り戻す。
「あいつに、そう、誓った。
…必ず、取り戻すってな。」
荒垣は、そう呟くと、刈り取る者の、一瞬の隙を付き、得物を、振り上げた。
∞――――――――――――――――――――――――∞
記憶が無い、過去が無い
それは本当に自分なのだろうか・・・・
答えの無い問いですよね。
自分を他人のように見る透流に萌えた(萌えるな)
そして、やっぱりガキさんが切ないのです。はぅぅ
(段々感想長くウザくなって来てるので自重)