調子に乗って順平話・・・(一応荒ハム前提だけどね)
微妙に安息の続きです。
ガキさんは前回の安息のハム子以上に空気というか出てこない(爆)
+@でちょっとオールっぽいです。
いや、ちょっとね、10月4日以降ってぶっちゃけどうなの?って話が
あったので・・・う~んと思って考えたらでてきたお話。
こんな感じの世界があってもいいんじゃないかなぁってね。
さぁ、どうでしょうねぇ。
何気にタイトル負けかも(タイトルは自分で気に入っている(笑))
微妙に安息の続きです。
ガキさんは前回の安息のハム子以上に空気というか出てこない(爆)
+@でちょっとオールっぽいです。
いや、ちょっとね、10月4日以降ってぶっちゃけどうなの?って話が
あったので・・・う~んと思って考えたらでてきたお話。
こんな感じの世界があってもいいんじゃないかなぁってね。
さぁ、どうでしょうねぇ。
何気にタイトル負けかも(タイトルは自分で気に入っている(笑))
∞――――――――――――――――――――――――∞
其の傷の名を
決して誰も口にはしない
其の傷の名を
決して誰も確かめはしない
傷が癒える
その時までは・・・
∞―――――――――∞ 傷名 ∞―――――――――∞
其の傷の名を
決して誰も口にはしない
其の傷の名を
決して誰も確かめはしない
傷が癒える
その時までは・・・
∞―――――――――∞ 傷名 ∞―――――――――∞
「つか、オマエ流石に無茶しすぎ・・・って、もう聞いちゃいねぇか」
背中で眠る姿にため息をつきながら、順平は空を見上げた。
急激に忍び寄ってきた冬の夜気に、体が震える。
しかし、本当に震えていたのが自分なのか透流なのか、正直分からなかった。
見上げた夜空に・・・月はなかった。
「罪作りッスよ・・・荒垣サン」
荒垣が凶弾に倒れたあの日、透流もまた倒れて寮へと担ぎ込まれていた。
理由は至極単純だった。
自らの精神力が尽きるのも構わず、回復呪文を唱え続けていたからだ。
息吐く暇もなくペルソナを呼び出す透流の姿に、遅れて誰もが追随していく。
ペルソナの発する光と、月光だけが満ちる中、いつもより長くも短くも感じた影時間が明けていった。
そのおかげだったのだろうか、かろうじてその命だけは取り止める事が出来ていた。
・・・命・・だけは。
あれから半月が過ぎた。
何度、この道をこうして帰った事だろう。
背中で眠る透流は、自分の知る限りあの日から一度も泣いてはいない。
むしろ、いつだって、笑って話すのだ。
泣いたら、きっと目を覚ましてくれないからと・・・
見てるこっちがたまんねぇって
内心で呟きながら、順平は寮への道をゆっくりと歩く。
あの日から、タルタロスへ行かない夜に、透流がこっそり寮を抜け出す事を順平は知っていた。
影時間になると、きまって病院へと向かうのだ。
そして、入れない病室の前で、一人延々とペルソナを行使し続けている。
たった独りで、隔たれた壁越しに。
その孤高の戦いに、透流の纏う気迫に、順平は声を掛ける事が出来なかった。
透流と荒垣の間にどんな関係があったのか、それを直接聞いた事はない。
だが、あの二人の間に流れていた空気は、わかるものには分かっただろう。
順平は、いつだったか、二人がラウンジで寝てしまった時を思いだしていた。
パッと見には人を寄せ付けない荒垣と、常に回りに人を惹きつける透流。
一見正反対に見える二人だったが、どこか似ていると思ったのは気のせいだったのか。
どちらとも、呆れる位に本音を出さないから、順平には図りようがない。
それでも、二人が一緒にいる時の顔は、普段とは違う穏やかさがあったことを知っている。
「なんで、こんな事になっちまったのかな」
月のない空に言って見た所で、返事が返ってくる訳もない。
でも、言わずにはいられなかった。
あの事件は、透流には勿論だが、誰の心にも大きな傷を刻み付けた。
程度の差はありこそすれ、その大小を論じた所で何もならない。
結果は変わらないのだ。
誰も、この戦いを軽んじていたわけじゃない。
遊びだ何て思ってはいない。
その・・・つもりだった。
だが、目の前で倒れていく者をこの目が直に映した時。
誰もが今さらのように思ったのだ。
これは、"命"をかけた"戦い"の時間なのだと。
最初の数日は、それでも透流はしっかりと自分の足で歩いていた。
それが、日に日に消耗が激しくなった。
倒れる寸前まで、ペルソナを行使し、タルタロスよりもフラフラの足取りで寮への道を歩く。
その姿に、耐え切れず声をかけたのはいつだっただろう。
あの日から、こうして透流を背負って帰る事が多くなった。
決して泣き言は言わないくせに、決してやめようとはしない透流。
怒鳴ったところで、その意思が変わらない事などもはや明白だ。
「悪りぃけど、ここまでな・・・」
だから、先手を打った。
いや、もうこれは先手とは言わないかもしれない。
寮への扉を前にして、順平は大きく息を吐いた。
バチン!!
「・・っつ・・」
大きな音を響かせて、ゆかりの平手が透流の頬を容赦なく打ちすえた。
大粒の涙が零れ落ちるのもそのままに、ゆかりは透流を睨みすえる。
「この・・・馬鹿!!」
そんなゆかりの姿と、俯く透流を誰も止めずにただ見つめる。
「なんで・・・なんでいつもそうやって一人で突っ走るわけ!?」
肩を震わせるゆかりに、ごめんと小さく透流が呟いた。
激昂しているゆかりを落ち着かせるように、天田がゆかりさんとその手を掴む。
「・・あんたと荒垣先輩の事をどうこう言うつもりなんてない。
だけど・・
だけど、あたし達だって仲間なんだよ。違う!?」
きっと、誰もが心に秘めていた想いを、ゆかりと言う口が代弁したのだろう。
ただ視線だけが、今は誰より小さく見える一人の人物に注がれている。
握った拳が、食いしばった歯が、俯いた透流をさらに小さく見せていく。
「岳羽、もうその位にしておけ・・彼女も十分わかったはずだ」
美鶴の声に、ゆかりがでもと声を荒げる。
それを再びゆかりさんと天田の声が押しとどめる。
「これ以上は、透流さんの身体が持たないでアリマス。
たとえ、透流さんの厳命でも、放置、黙認はもうできないでアリマス」
首を振りつつアイギスが言えば、そんなと透流が目を見張る。
「アイギスの言うとおりだ。もうこういった行動は控えろ常磐」
真田先輩!っと噛み付く様に振り返った透流を、真田の真っ直ぐな目が射抜いていく。
「なん・・・で・・・だって・・・これしか・・・」
再び俯き、身体を震わせる透流に、美鶴の声が静かに響いた。
「岳羽が言っただろう?一人で突っ走るなと。
これからはローテーションで回す。
明彦、チームの采配は決めておいてくれたか?」
「あぁ。
俺と岳羽、コロマルで1チーム
美鶴と天田、山岸で1チーム
常磐、順平、アイギスで1チーム
週1の割合で回せばちょうどいいだろう。
タルタロスの攻略もあるからな。」
「・・・え?え?」
何を言ってるのか理解できないというように透流が皆を見回せば、その数だけ苦笑が返ってくる。
透流の肩にポンと手を置きながら、順平が笑った。
「そういうこと。一人よりみんなでってな」
「そうですよ、僕らだって・・・僕らだって回復は使えます!!」
一瞬目を見開いて、でもすぐに顔を歪めて俯いた透流に、風花が咄嗟に駆け寄った。
俯いたままの透流をギュッと抱きしめて、透流の変わりに風花の瞳を涙が伝う。
「大丈夫・・・大丈夫だよ・・透流ちゃんは泣いてない。泣いてないから」
「・・・う”・・・ん・・・」
透流のくぐもった声が微かに響き、握った拳により力が込められる。
その透流の手に、ゆかりは自らの手を被せながらそっと呟いた。
「みんなで、だよ」
「ワン!!」
締めのコロマルの一言に、ついつい笑みが零れていく。
きっと、そこで今まで張ってきていた緊張の糸が途切れたのだろう。
風花に抱きしめられたまま、透流の身体から力が抜けていく。
それに気づいたアイギスが、そっと透流の身体を抱き上げた。
美鶴が無言で頷けば、アイギスと風花、ゆかりがそのまま階上へと姿を消す。
残された幾多の瞳は、ただいつまでも、その後ろ姿を映していた。
あれから半月、透流はずっと眠れずにいた。
目を瞑れば、決まって見るのはあの日の光景。
眠るくらいなら、そう思えばこそ、タルタロスで、病院で、自分の限界まで力を行使した。
でも・・・それはきっと間違いだった。
ねぇ先輩
先輩はあの時頼むって、そう言ったよね?
私になら頼めるって
でも、それはきっと間違いです
先輩も言ってたじゃないですか
みんなの事、アイツラって、仲間だって
仲間は、頼んだり、頼まれたりするものじゃない
みんなが教えてくれましたよ
支え合うものなんだって
だから
だから、早く目を覚ましてください
私は貴方を支えるモノになりたいんです
∞――――――――――――――――――――――――∞
其の傷の名を
決して誰も口にはしない
其の傷の名を
決して誰も確かめはしない
声なき祈りが
届く日までは・・・
∞――――――――――――――――――――――――∞
目を瞑れば、決まって見るのはあの日の光景。
眠るくらいなら、そう思えばこそ、タルタロスで、病院で、自分の限界まで力を行使した。
でも・・・それはきっと間違いだった。
ねぇ先輩
先輩はあの時頼むって、そう言ったよね?
私になら頼めるって
でも、それはきっと間違いです
先輩も言ってたじゃないですか
みんなの事、アイツラって、仲間だって
仲間は、頼んだり、頼まれたりするものじゃない
みんなが教えてくれましたよ
支え合うものなんだって
だから
だから、早く目を覚ましてください
私は貴方を支えるモノになりたいんです
∞――――――――――――――――――――――――∞
其の傷の名を
決して誰も口にはしない
其の傷の名を
決して誰も確かめはしない
声なき祈りが
届く日までは・・・
∞――――――――――――――――――――――――∞
余談
「順平の珈琲も美味しいよね」
影時間のラウンジで、透流はほぅっと息を吐いた。
そんな透流に、順平がだしょだしょっと怪しげな得意顔を浮かべている。
「あっと1週間かァ」
悲観や達観とは違う、むしろ定期テストよりも気楽そうに言う順平に透流は笑う。
一月前とはまるで違う、その順平らしさが、心を軽くしてくれる。
「そういや、透流っちさ、去年なんかあったかそうなモン作ってたよな?」
いきなりの話題転換に、え?とばかりに順平を見れば、どこかニヤニヤとした顔が見返してきた。
アレの事だろうかと考えながら、何故それを順平が知っているのかと不覚にも動揺してしまう。
「いやさぁ、チドリがさ、病院の癖にここって寒いんだぁ!なんて言うんだよなぁ」
再び矛先がずれた話題に、意味が分からず左右に泳がせていた視線を戻せば、今度はニッとばかりに順平が笑った。
「決戦前夜って、俺らの番だけど。アイギスと俺ッチいかなくていいよな?」
「あ・・・
順平、ありがと!!」
抱きつきたくなる衝動をコロマルにすり替えれば、キャンとばかりに小さい仲間が悲鳴をあげた。
軽やかな笑い声が響きあう中、残り少ない影時間がゆっくりとラウンジを通り過ぎていった。
「順平の珈琲も美味しいよね」
影時間のラウンジで、透流はほぅっと息を吐いた。
そんな透流に、順平がだしょだしょっと怪しげな得意顔を浮かべている。
「あっと1週間かァ」
悲観や達観とは違う、むしろ定期テストよりも気楽そうに言う順平に透流は笑う。
一月前とはまるで違う、その順平らしさが、心を軽くしてくれる。
「そういや、透流っちさ、去年なんかあったかそうなモン作ってたよな?」
いきなりの話題転換に、え?とばかりに順平を見れば、どこかニヤニヤとした顔が見返してきた。
アレの事だろうかと考えながら、何故それを順平が知っているのかと不覚にも動揺してしまう。
「いやさぁ、チドリがさ、病院の癖にここって寒いんだぁ!なんて言うんだよなぁ」
再び矛先がずれた話題に、意味が分からず左右に泳がせていた視線を戻せば、今度はニッとばかりに順平が笑った。
「決戦前夜って、俺らの番だけど。アイギスと俺ッチいかなくていいよな?」
「あ・・・
順平、ありがと!!」
抱きつきたくなる衝動をコロマルにすり替えれば、キャンとばかりに小さい仲間が悲鳴をあげた。
軽やかな笑い声が響きあう中、残り少ない影時間がゆっくりとラウンジを通り過ぎていった。
∞――――――――――――――――――――――――∞
やっぱり順平が好き!!!
というわけで、順+ハム子(+オール風味・・ガキさん空気(汗))です。
余談で順平に抱きつかせようかと思ったけど、
透流が拒否したのでコロマルになりました(笑)
てか、マフラーネタを入れて見たかった。