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ここは、「Luftleitbahnen」の別館です。
Fan Fiction Novel-二次創作小説-を置いてあります。
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acquaさんへの誕生日プレゼントとして書かせて貰いました。
しかし・・・・・miyaはリクとか大変苦手だと今さらながらに実感ヽ(;・ー・)ノ

内容とリクがあってない!!
ははは・・・ははははは・・・・ははははははは
(詳細は畳みます)

acquaのネタ帳!!
のacquaさんのリクエストです。

強引なガキさん&二人でどこかに行く

えっと。。。あはははは
一応捧げ物という事で、ハム子の名前が結祈となっております。
 
 

∞――――――――――――――――――――――――∞


信じて居ないわけじゃない


ただ 深い想いが それ故に



心は惑いて 浮き沈む



∞―――――――――∞ 譴責  ∞―――――――――∞



「馬鹿か!!!テメェは!!!」


その声は、未だかつて聞いた事の無い程、激しい怒りが含まれていた。







-9月22日 影時間-


「では、今日は此処までという事で」

結祈の一言に、全員が頷く。
まだ影時間になって一刻も経っては居なかったが、今日の探索は早々に打ち切りとなった。

それというのも、元々今日は探索の予定はなかったからだ。
この連休、結祈は酷い風邪をひきこみ、一昨日まで寝込んでいたのである。
仲間達も、そんな彼女の体調を慮り、この連休の出撃はしないという事で一致していた。

しかし、「失踪者2名発生」。
この緊急事態に、結祈は急遽タルタロス行きのGOを出したのである。
あくまでも失踪者探索、そのための出撃であった。



「失踪者2名、無事保護しました」

風花の声に、皆の顔に安堵の表情が浮かぶ。
今月は、コロマル、天田、荒垣の参戦もあって、上旬から探索を小まめに行っていた。
その為、すでに最上階へも到達しており、失踪者捜索は思いのほかスムーズだった。

「じゃぁ、戻りましょうか?」

エントランスで一通り全員を見回した結祈に、下から声があがった。

「ワン!!」
「ん?コロちゃんどうしたの?」

何かを訴えるような一声に、結祈はコロマルに問いかけながら、アイギスを見る。

「コロマルさんが、後少しでLVがあがると言って居ます・・・
僭越ながら、私もあがりそうでアリマス。」

アイギスの翻訳に、結祈はう~んと考え込む。
実際、アイギスとコロマルは、後一体でもシャドウを倒せばLVがあがりそうだ。

「うん、じゃぁモナドに1体だけ倒しに行こうか?」

結祈の提案に、おいとばかりに荒垣から声が上がる。
それを見越して、結祈は荒垣を振り返った。
その顔に満面の笑みを浮かべて。

「先輩も勿論来てくださいね!」

不意打ちの笑顔に、荒垣は渋い表情を浮かべたまま、1体だけだぞと念を押すと、さっさとモナドの扉に手を掛ける。
そんな荒垣に、結祈ははいと元気よく返事をしながら、コロマルとアイギスを促すのだった。





「じゃぁ、俺達は失踪者を送ってくる」
「頼むぞ、明彦、荒垣」

美鶴の声に、二人が無言で頷くと、失踪者を連れて辰巳記念病院へと歩き出した。
なんとか歩けるとは言え、衰弱した人間を連れて行くには体力が要る。
影時間の終わるギリギリの場合は、美鶴が桐条の車を手配する事もあったが、今日はまだ影時間になってそれほど間もなかった。

「んじゃ、俺らは帰りますかねぇ」

順平が言えば、残りのメンバーも寮への道を歩き出した。

帰り道を歩きながら、結祈は今日の獲得品やアイテムを確認する。
失踪者の探索が主だったとは言え、それなりに収穫品はある。
アイテム類の分類、装備品の区分け、それらを行っていた時だ・・・

「マッスルドリンコが3本と・・現金・・・・あ!!」
「結祈ちゃん?どうかしたの」

唐突に立ち止まった結祈に、隣を歩いていた風花が振り返った。
その風花に、結祈は慌てて耳打ちすると、勢い良く走り出していた、元来た道をタルタロスへと。








「ここにもない・・・どうして・・・」

結祈はタルタロスのエントランスで途方にくれていた。
先ほど、失踪者を見つけた時までは確かに持っていたはずのモノが、無くなっていた。

風花に忘れ物を取って来るとことづけし、戻ってきたのは良いのだが・・・
いくら探してもエントランスには塵一つ落ちて居ない。
階段の裏、時計の中、ベルベットルームの扉の隙間まで隈なく探したというのにだ。

後考えられるとすれば、それは視線の示す先、モナドの中だけだった。

「・・・・」

結祈は扉を見つめたまま、じっと考え込む。
今の結祈なら、1Fフロアであれば多分なんとかなる・・・はずである。
モナドの1Fは必ず脱出ポイントが存在する、また、敵の傾向も理解している。

ふぅと大きく深呼吸すると、結祈は意を決したようにモナドの扉に手をかけた。





「馬鹿か!!!テメェは!!!」


扉にかけた手の上に、一回り大きく骨ばった手が覆いかぶさった。
痛いほどに押しつけられた事よりも、結祈はその声音に身体を震わせた。
その声は、未だかつて聞いた事の無い程、激しい怒りが含まれていた。



荒垣は、荒く息をつきながら、背を向けたままの彼女を見下ろした。
寮からこっち、全力疾走して来たのだ。

失踪者を送り届け、桐条のスタッフに引き渡してきたのはつい先程。
ロードワークをして帰るという真田と別れ、寮に戻って見れば大扉前で山岸が不安顔で佇んでいた。
嫌な予感を覚えつつ近付けば、荒垣に気づいた山岸が駆けよってきた。

「荒垣先輩、結祈ちゃんが・・・」




掴んだ手を引っ張りあげ、荒垣は結祈の身体を無理やりこちらに向き直らせる。
結祈の顔が痛みに歪むのもそのままに、荒垣はジロリと睨みすえた。

「何しようとしてたか、自分でわかってんのか?」

押さえたというよりは、凍てつく程の声音で問えば、結祈はその顔を俯かせた。
小さく震えているのが分かる。
怯えているのか、泣いているのか、それでも荒垣はその手を放さなかった。
否、きっと放せなかったのだ。
この手を放せば、彼女が手の届かない所へ行ってしまいそうな、そんな恐怖が荒垣の奥底を侵食していた。
その恐怖を怒りに塗り替えて、荒垣は結祈を刺すように見下ろす。


「ワン!」

その二人の様子に、荒垣と共に駆け込んできたコロマルが、心配そうに声を上げた。
荒垣は、一度大きく息を吐くと、掴みあげた手はそのままに、ゆっくりと後ろを振り返る。

「コロ、戻っていいぞ。もう心配要らねえって伝えとけ」
「ワン!!」

荒垣の言葉に、了解の意を示すと、コロマルは勢い良くエントランスから飛び出していった。



「・・・ごめん・・・なさ・・い」

二人だけになったエントランスに、結祈の消え入りそうな声が溶けていく。
何度も何度も、その小さな身体をさらに小さくするように繰り返す彼女に、それでも荒垣は手の力を緩めない。
むしろ、彼女の身体をモナドの扉に叩きつけるように押し付けると、再びその声を荒げていた。

「お前は・・・・何も分かってねえだろ!!
それで謝んじゃねえ!!」

結祈の身体がビクリと硬直する。

「山岸が、今どんだけ不安な思いしてっか考えたか?
お前に何かあって、アイツラがどう思うか考えたか?」

ハッとしたように顔をあげた結祈の視線を、荒垣が絡め捕る。


「・・・俺が、どんな気持ちでここまで来たか
お前は本当にわかってんのか?」

荒々しい言葉が、ジョジョに苦しげな呻きへと変わっていく。
怒りの鍍金の内側から、暗い不安が滲み出す。

荒垣は、自分がどれだけ身勝手な事を言っているか理解していた。
自分を棚に上げている、そんな事はわかっている。
だが、それが彼女を失うかも知れ無い恐怖を押さえる術にはならなかった。


・・・・怖ろしかった。


此処に来るまでの間、走っている間、もしも彼女に何かがあったらと考えると、怖ろしくて仕方がなかった。
それがたとえ想像の中だったとしても、もはや彼女を失う事など耐えられるものではなかった。


モナドの扉に縫いつけていた結祈の身体を、目を伏せた荒垣の腕が抱き寄せる。
まるでその存在を確かめるように、きつく戒めたはずのその腕が震えていた。

「・・せん・・ぱい・・」

結祈はそっと自らの腕を、その広い背中に回すと、濡れた頬もそのままに、荒垣の肩にその顔を埋めた。

「ごめんなさい。先輩」

先ほどとは違う、一語一語の意味を確かめるような、噛み締めるような結祈の言葉が、荒垣の肩を震わせる。

「世話ばっか焼かせんじゃねえよ。馬鹿が」

より深く、その妙なるモノを抱きしめた時、荒垣の五感に小さな違和感が走った。
一瞬遅れて、結祈もまたその感覚に顔をあげる。

結祈が声を上げようとした刹那、荒垣は素早く彼女を横抱きにすると、エントランスを駆け抜けた。
大扉を飛び出すと、途端に背後の世界が歪みと軋みの悲鳴をあげる。
半分にかけた月の光の元、タルタロスが影時間の闇と共に、虚ろな狭間へと還って往った。



「あ、危なかったですね~。先輩」

横抱きにされたまま、結祈が呆然としつつも、どこかのほほんと校舎を見上げている。
その姿に、軽い眩暈と怒りを覚えた荒垣は、無言のままその足を校舎へと向けた。

「あれ?先輩そっちは逆ですよ」
「そうだな」

結祈の問いかけに、棒読みで答えながら、荒垣の足は止まらない。

「えっと・・どこに・・・ってか降ります、私・・先輩?」
「降りれると思ってんのか?」

「え?」

見上げた荒垣の顔に浮かぶ表情に、結祈は何かそこはかとなく嫌な予感を感じてじたばたしてみる。
しかし、荒垣の腕はがっしりと自分を捕らえて放してはくれない。
その獲物を舐るような瞳の輝きと、口元に浮かんだ笑みに、冷たい物が背を伝っていく。


「どうもな・・・お前には口で言ってもわかんねえみたいだかんな・・・」
「で、でもここ・・学校ですよ・・・」

「そうだな、久々のガッコだな」

段々と楽しげな表情へと代わっていく荒垣に、追い詰められた獲物のような結祈の声が、夜の校舎に木霊していった。


「もうしませ~~~ん」





∞――――――――――――――――――――――――∞


信じて居ないわけじゃない


ただ 深い想いが それ故に



心は惑いて キミ望む



汝答を求むるならば


惑いし想いを その身に刻め




∞――――――――――――――――――――――――∞



余談



「で、結局何探しに来たんだ?」

結祈の髪をその指に絡めて梳きながら、荒垣は思いだしたように問いかけた。
くたりと荒垣に身体を預けたまま、結祈は視線だけで荒垣を見上げる。

「・・・えい・・が・・」
「あ?」

掠れる様な声で囁くと、結祈は恥ずかしそうに俯いてしまう。
その姿に目を細めながら、しかし、その答えに満足できず、荒垣は結祈の耳元に顔を寄せる。

「分かるように言えって、でないと・・・」

優しくその耳朶に噛みつけば、結祈の可愛らしい悲鳴が上がる。

「せ、せんぱいと・・映画に・・・いきたくて」

耳元から首筋へと唇を落としていた荒垣の耳に、意外な言葉が降りてきた。

「映画?」
「明日・・っていうか、もう今日ですけど・・映画祭りがあるから・・」

潤んで熱を帯びた瞳に見上げられながら、荒垣は低く笑い声を上げた。

「ったく、そんなもんのために戻ったのかよ?」
「だって・・・・んぁ・」

首筋に、もう幾つ目になるかの花びらを散らしながら、
このいとおしいまでの存在をどうしてくれようかと思わずには居られない。

「はねっかえりには、もう少しお仕置きが必要みたいだな」

まあ、行ってやるよとにやりと笑って見下ろせば、その腕の中で愛しい獲物が切なげに鳴いた。




∞――――――――――――――――――――――――∞
強引(?)、出かけるってタルタロスかよ!・・・な内容に・・・
うぅぅ、すみません、私リクとか苦手で(つД`)イイワケゴメンナサイ
プレゼントのはずなのにこんなんでホント申し訳ない。

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