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ここは、「Luftleitbahnen」の別館です。
Fan Fiction Novel-二次創作小説-を置いてあります。
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捏造IFかつギャグ話。
ギャグは全て捏造ですよね、そうですよね。
今回のは短いです。さくっと読んで貰えれば幸い。
両生存かつ、みんな3年設定・・・でもやっぱり荒垣先輩は先輩って呼びたくなるのです。


∞―――――――――∞ 天才(災)  ∞―――――――――∞




「それじゃぁ、みんないい?」

「「「「「「おう!!(ワン!)」」」」」」



「「「「「「かんぱ~~~~い!!!!」」」」」」

グラスの重なる音が響きあうラウンジで、皆の声が木霊した。



2011年2月某日


巌戸台分寮は去年の2年組み+荒垣にて存続されていた。
(真田と美鶴は進学の為に退寮、天田は初等科寮へ帰寮)
正確に言えば、美鶴の采配によるものであったが、残り1年という限られた時間を仲間と共に居たいと思う気持ちは皆同じだった。
それも残り1ヶ月となっていた。

皆それぞれに進む道を決め、新たな道へと旅立とうとしている。
今日はそんな中、最後の仲間、ゆかりの合格発表の日だったのである。
結果は見事「合格」
そう言うわけで、皆でささやかなパーティーとなっていた。


「これで全員進路決定かぁ・・・」
「あんたの場合は、どっちかていうと回り道だけどね」

しみじみと呟いた順平に、さらりとゆかりの痛恨の一撃が炸裂する。
その言葉に崩れゆく順平を無視して、ゆかりは一通り場を見回して目を細めた。

「もう後少しかぁ。透流と風花は私と同じ進学だけど・・・大学違うもんねぇ。」

どこか遠くを見るようなゆかりの声が、ラウンジにポツリとこぼれる。

「そうですねぇ、みんなやっぱりやりたい事違いますもんね。
ゆかりちゃんは、なんであの大学を?」

ふわりと笑いながら風花が問えば、ゆかりはう~んと考えを整理するように天井を見上げた。
一度目を閉じ、再び開いた瞳は、晴れ晴れとした決意が浮かんでいる。

「あの大学さ・・・お父さんと同じ所なんだよね。
なんかね、お父さんの足跡を、辿って見たいなって思ったの。ほら、遺志を継ぐってヤツ?」

茶化すように語尾をあげてはいるものの、その晴れやかな表情に皆の表情も自然和らいだものとなる。

「そういう風花は?情報工業大学だったよね」
「え?あ、はい・・・やっぱり情報とか機械に触れるのが好きなんで・・・女の子っぽくないんですけど」

ちょっと自重気味に、それでいてにこにこと笑う風花に「そんなことないです」とアイギスが力説する。そんな二人に、皆の笑い声が重なる。

「で、順平は結局浪人っと・・・・まぁ予想通りだったけどねぇ」

未だに床で燻っていた順平を、荒垣が無言で引き上げれば、横目で見ていたゆかりがため息と共に首を振る。
そんな姿に、風花がどぅどぅとフォローになら無いフォローを入れる。

「ぅぅぅぅぅ。うるせーよぉぉぉ・・・・どうせ俺っち回り道だよ」
「で、でもチドリさんと同じ予備校に通うんだから。悪い話って訳じゃ・・・あぁぁ」

微妙な風花の言葉に、再びずりずりと崩れる順平。荒垣は一度ため息をつくと、ニヤリと口角をあげて燻るそれを見下ろした。

「確かに、「悪い話」じゃねぇよなぁ・・・・いろんな意味で」
「う・・・荒垣さん、この1年で随分性格悪くなったっすよね・・・」

そうか?と悪びれた様子も見せずに荒垣が言えば、順平はくそ~~~と拳を握り、反撃とばかりにその目じりを上げた。

「そういう荒垣さんは調理師学校っすもんね。透流っちとは時間帯も場所も違うし会う時間も・・・・って、やば」

ニヤニヤと荒垣に反撃の狼煙をあげたつもりが、途中から襲いかかってきたドス黒いオーラに順平の背筋を冷たい物が滴り落ちる。
黒い物を出しながら、何故か笑顔でなんか言ったかと近付いてくる荒垣に、順平が逃げ出すのを女子達はすでに見もしていなかった。

「で、やっぱびっくりなのがアイギスだよね。」
「医大だもんね。というか・・・その・・・色々大丈夫なのかな?あ、でも桐条系列の大学だもんね」
「試験はちゃんと受けました。ただ、受け入れ態勢としてはやはり桐条でないと難しいので・・」

しゅんとしてしまったアイギスを透流がギュッと抱きしめれば、ゆかりが優しく頭を撫で、風花が包み込むように手を握る。そんな皆に、アイギスは人間以上に輝かんばかりの笑顔を返した。

「一重に皆さんの、そして透流さんのおかげです。私も透流さんと同じように立派なお医者様を目指したい」

そう力強く語るアイギスの目が、件の透流を見つめる。その視線に透流は照れたように頬を掻いた。

「ア、アイギスは大げさだよ~~~。まだ学校に受かっただけなんだから」
「謙遜しちゃってまぁ、透流の大学って一番難しいとこでしょ?まぁ。我が校のNo1だからねぇ・・・ってあんた推薦だったね」
「でも、指定校じゃないから一般だよね、普通に試験はあったって言ってたし」

昨年の秋には、既に大学を決めた透流の姿を思い出し、ゆかりがその頬を引っ張る。笑いながらまぁまぁとたしなめる風花の言葉に、ゆかりの頭に「!」マークが浮かんだ。

「そうそう、透流はなんで医大なわけ?・・・まぁなんとなくは分かるけど、一応ちゃんと聞きたいなぁ」
「ゆかりちゃんったら。でも、一度本音聞きたかったかなぁ」
「私は既に聞かせていただきました」
「え?アイちゃん、抜け駆け?」

どこか意地悪げな響きを含ませてゆかりが問えば、便乗とばかりに釣れる面々。そしていつのまに戻ってきたのか、ひょっこり顔を出した順平。しかし、それが仇となり首根っこを荒垣に捕まれたままズルズルとキッチンの方へと引きずられていく。まぁ、そんな姿も、女子には一切合切スルーされていたりするのでせめて合掌位はしておくとする。


「え~~。それは・・やっぱり・・・その・・・先輩の身体治したいから・・・////」

顔を真っ赤に透流が言えば、女子達はキャーキャーとその身体をパシパシと叩く。叩けばますます透流の色は熱を帯びる。そんなループがことさらに繰り返され、場の雰囲気は春爛漫だ。
そうしてひとしきりガールズトークの花が咲ききった頃、事情を知らない荒垣が戻ってくれば、透流以外の目は自然彼へと集まっていく。
その視線にそこはかとなく嫌な予感を感じつつも、荒垣は透流の横に腰を下ろしす。何話してたんだ?と視線で問えば透流は未だ照れを残した顔でしどろもどろに口を開いた。

「え、えっと、なんで私があの大学の医学部受けたかって話してて・・・」

皆の視線と、透流の様子の意味を理解した荒垣は、仕方ないなとその頭にポンと手を載せ、ワシワシと髪を掻いてやる。立派な医者になれよとその目を細めれば、嬉しそうに透流が笑む。
すでに1年、この二人が公認なことは今更だった。

「あ~あ~。もうお熱い事で・・・ま、この1年で慣れましたけどね」
「ふふ、でも私は二人のこの雰囲気好きでしたよ。もうすぐ見れなくなっちゃうのは残念だけど」

そんなほのぼのとした雰囲気を醸し出し、邪魔者は退散ですかねと皆が思った時、どうにも聞き捨てならない台詞が一つ。


「先輩、私、江戸川先生みたいな立派な医者になりますね!!」
「そうか、がんば・・・・・・・江戸川・・だと・・?」

なんかありえない名前キターと透流を見つめれば、目を輝かせぐっと拳を握っている。その横では、白黒化した荒垣が油の切れた人形のようにギコチナい手つきで透流の頭を撫でていた。なんか、実に切ない光景である。

「と、透流っち、なんでそこでよりによって江戸川?」

いつのまに、どこから復活したのか、向かいのソファで順平が問えば、心外とでも言うように透流は目を見開いた。

「えぇぇ江戸川先生って凄いんだよ!!、あの大学の主席卒業だし、教員免許だけでなく、ちゃんと医師免許持ってるんだから・・・・
何より、あの医術への独特のアプローチ。」

うっとりとした目で語る透流に、誰も口を挟めない。むしろ挟みたく無いというか聞きたく無い。
しかし、そんな事はおかまいなし、透流の口は止まらない。

「現代医学に足りないのはあのアプローチだと思うの!!
この観点を突き詰めて行けば、きっと先輩の身体を治す薬もできます!!待っててくださいね!先輩」

決意に満ちた瞳で荒垣を見つめる透流と、去年の9月以上に哀愁を滲ませる荒垣の姿に、涙が出てくるのは何故だろう。そのやるせない空気をなんとかしようと、風花がおずおずと、しかし半ば強引に二人の世界を押し開けた。

「あ、えっと・・・そうだ!透流ちゃんの一般推薦って試験はどんな感じだったの?普通と同じ?」

「ん?あぁ、受験のこと?」
「おお、俺っちも聞きたいぜ。てか一生自分に縁なさそうだもんなぁ、推薦とかって」

ナイス風花とばかりにゆかりが後からサインを送れば、順平もよしとばかりに援護する。

「あ~~、えっとね、私正確には一般推薦じゃなく一芸入試だよ」
「え?そうだったの?」
「一芸って、バレーとか?っていってもうちの高校女子バレはそんなにじゃなかったっけ」

一般前の特殊入試は時期が同じため、皆推薦だと思いこんでいた。そもそもNo1の実力を持つ彼女の合格を疑う者自体が皆無だった。
ココに来て、開かされた意外な事実に、皆驚きと興味を引かれていた。

「一芸ってTVとかでしか実際聞いた事なかったけど、本当にあるんだねぇ」
「なぁなぁ、なんの芸で受かったんだよ。案外あれか?薙刀とか?」
「透流ちゃんなら料理でもいけますよね!ね?荒垣先輩」
「あ?さぁな。俺ァ試験官じゃねぇからわかんねーよ」

口々にあーでもない、こーでもないといいつつ、皆の興味は募っていく。
実際多彩な彼女である。一芸といいつつ、多芸での合格だって不思議では無い。
それこそ合格発表を待つ受験生のような面持ちで、その答えを待てば・・・・

「え~?そんな大層な事じゃないよ~。だってみんなも出来るし」

困ったなぁという表情で透流が笑った。
だが、聞こえてきた不吉な台詞に、誰かが息を呑む。まさかな、そんな台詞を誰かが呟く。
ワクワクしていた緊張が、もういいです、やっぱりこの話題はやめましょうに変わった時にはすでに遅かった。

「ペルソナ~~!!で一発合格だよ♪♪」

なんの気負いもなく満面の笑顔を浮かべる彼女の姿に、全員の右手が容赦なく飛ぶのだった。

「「「「「「ソレかよ!!!」」」」」」


そんな彼女が月光館学園首席卒業として、また3年連続TOPとして伝説となるのだから世の中本当に 分からないものである。









余談

来年は俺も・・・そう順平が思った事は言うまでも無い。
しかし、この手法が現役高校生のみにしか使え無い事を知り、
彼は再び真っ当な茨の道をチドリと二人行くのであった・・・・多分。きっと。




∞――――――――――――――――――――――――∞
普通に試験受けてもきっと受かったとは思うwwww
てか、みんなこの手で受かるよ!!
あ、天田はまだこの手が使えますね、そうですね。
江戸川キター
ガキさん、生きてね!! 笑
acqua 2010/02/12(Fri)11:18:09 編集
Re:江戸川キター
石に噛り付いてでも生きてくれると思います。
てか、こんなボケボケハム子おいて先に逝けないwww
江戸川は何気に凄いと思ってますよ!!
【2010/02/13 00:05】
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