捏造IF話。
ギャグでは無い。(わざわざ言わんでもいいがな)
一応甘い話を目指して書いた・・・けど甘く無いのは・・・きっとビターチョコなんだよ。
(意味分からないいいわけですね。てかチョコ関係無いんですけど)
ギャグでは無い。(わざわざ言わんでもいいがな)
一応甘い話を目指して書いた・・・けど甘く無いのは・・・きっとビターチョコなんだよ。
(意味分からないいいわけですね。てかチョコ関係無いんですけど)
交叉点
それはアナタと出逢う場所
∞―――――――――∞ 交叉点 ∞―――――――――∞
「先輩!!!!
荒垣せんぱ~~~~~~い!!!!!!!」
軽やかでいながら、よく通る声が響き渡ったのは、ポートアイランド前のスクランブル交叉点でだった。
荒垣は、一瞬驚きで目を見開くと、周囲の視線に被っていたニット帽を引き下げる。
(・・・あの馬鹿)
色濃く落ちた帽子の影から覗く瞳は、呆れと困惑の色を滲ませ道路の向こうを見つめる。
そこには、大きく手を振りながら、信号と自分を忙しなく交互に見つめる"彼女"の姿があった。
(ガキか・・・あいつぁ)
"彼女"。S.E.E.Sのリーダーである常磐透流の事を荒垣は量りかねていた。
その行動、思想、突き詰めていけば存在そのものが"よく分からない"のである。
考えて見れば、初めて真田の病室で会った時も奇妙な違和感を感じたものだ。
ペルソナの共鳴ではない。
はっきりとそこに居るのに、世界との境界が滲んでいるような妙な違和感だ。
その所為で、あの時はついぞじっと見つめてしまった。
『・・・何かついてます??』
そう言って、きょとんとした顔でぺたぺたと自分の顔を撫でながら首をかしげていた透流。
そのあまりに子供っぽい行動に、廊下を出た後荒垣は苦笑した。
先ほど感じた違和感と、その行動があまりにかけ放れていたからだ。
その後に見かけたのは裏路地だった。
山岸の話を聞く為に、わざわざ溜まり場まで聞き込みに来ていたのだ。
どこからどう見ても異端者にしか見えない3人組みは、あの場ではすぐ目に付いた。
その中で、一際荒垣の目に奇異に映ったのは彼女だった。
伊織が殴られ、荒垣が近寄っていくまでの間、彼女の目は目前の男を見つめていた。
岳羽をかばう様にしながら、しかしその目は睨んでいたわけでも、威嚇していたわけでも無く・・・ただ、相手の顔を見つめていた。
それが無性に気になった。
そして今、巌戸台分寮に戻った荒垣の前には、新たなS.E.E.Sのメンバーと、リーダーとしての"彼女"がいる。
夜の談笑時ともなれば、その表情は、荒垣が今まで出会った人たちとは比べものにならないほどよく変わった。
キッチンの奥から、ラウンジを眺めているだけで目に入る彼女の姿は、常に違う表情を見せた。
ころころと笑ったかと思えば、怒り、次には拗ねたりする。
まるで小動物のようだと思った。
そうかと思えば、戦いでは12もの仮面を使い分けては的確に敵を屠っていく。
その様は、小動物というよりはしなやかな獣だった。
正直、彼女は"よく分からない"
だが、その"分からなさ"が荒垣の心に言い様の無い感情を刻んでいく。
強いのか、弱いのか。大人なのか、子供なのか。
いつしか、荒垣の目は自然彼女の姿を追うようになっていた。
「せ~んぱい!!何してるんですか?」
「うぉ。どっから生えた」
ついぼんやりと考えにふけっていた荒垣の視界を、透流の姿が一瞬で覆いつくす。
青になった瞬間、全力で駆けてきたのだろう。
驚いてたたらを踏みそうになる荒垣を、嬉しそうに見上げながら、その息は軽く上がっていた。
そんな彼女の後ろでは、まだ渡り始めた人たちが、寄せては返す波のように交叉点を行き交っている。
「生えたとかって酷いです。ちゃんと向こうで手を振ってたじゃ無いですか!って気づいてませんでした?」
「きづかねぇわけねえだろ。・・・つぅか、あんなとこでデカイ声で名前呼ぶな」
口を尖らせたかと思えば、疑問符を頭につけて首をひねってみせる彼女に荒垣はため息をつく。
恥ずかしいだろうがと口の中で呟けば、彼女がふわりと微笑みを浮かべる。
「よかった、ちゃんと聞こえてたんですね。先輩どっかいくつもりだったんですか?」
「あ?・・・あぁ。いや・・」
いつものように、気がついたら裏路地への道を辿っていただけで、特に目的があったわけではなかった。荒垣が口を濁すのを一瞬切なそうに見上げた透流だったが、にこりと笑むとその手を強引に引っ張った。
「じゃぁ、一緒に寮に帰りましょう!!」
ぶっきらぼうにコートに突き刺さっていた腕が、グイとばかりに引っ張られ、荒垣がよろめく。
あぶねぇだろと小突くように軽く握った拳を上げれば、透流は軽やかにターンしてその腕を逃れる。
くすくすと笑みを浮かべて荒垣を見つめると、ふと荒垣の姿越しに見えた交叉点に視線を移した。
「・・・先輩、知ってますか?」
「あ?」
唐突な彼女の言葉の意味が分からず、荒垣もつられて背後を振り返る。
すでに信号は交わり、車の群れを人々が見送っている。
「人生って、交叉点なんだそうです。」
視線をそこに向けたまま、透流が続けた。
荒垣は何も言わずに彼女の言葉の続きを待つ。
「時と言う流れを渡る交叉点。たくさんの人と出会って、すれ違って、そして別れる場所・・・」
どこか寂しそうに、切なそうに往来を見つめる彼女の姿に、荒垣の目が奪われる。
こういう時の彼女は、危ういほどにその存在が揺らいで見える。
だが、次の瞬間には彼女はくるりと荒垣を振り返り、晴れやかに笑う。
「だから・・・"今"この瞬間を大事にしなきゃいけないんです!
今日先輩にココで会えたって事も、一緒に帰れるって事も・・・」
ね?とばかりに荒垣を見る目は真っ直ぐで、荒垣の心臓はドキリと跳ねる。
まるで鏡に映るように、強さと弱さを合わせ持つその姿が眩しくて。
・・・・惹かれていくのを止められない。
「大げさなんだよ。お前は・・・」
無意識に伸びそうになる手を押しとどめ、荒垣は目を伏せる。
「そんなことないですよ!!
・・・それに"今"は"明日"に繋がってるから・・・」
視線を落とした荒垣に、透流の柔らかな声が響く。
その何もかも見透かして居るように聞こえる声に、荒垣は唇を噛む。
この先に待ち構えているであろうことも、自分の奥底に隠してある感情も、彼女に知られてはいけないもの。
荒垣は、たまらず無言のまま寮への道を歩き出す。
「先輩?・・・あ、待ってください。」
「帰んだろ?さっさと行くぞ・・・日が暮れちまう」
後から追ってくる足音に、ほんの少しスピードを落としながら、それでも荒垣は振り向かなかった。
9月も半ばを過ぎた風が、妙に冷たかった。
満月まで、もうあと少し・・・・
交叉点
それはアナタと出逢う場所
それはアナタと別れる場所
それはアナタと出逢う場所
それはアナタと別れる場所
- 1年後 -
「先輩!!!!
荒垣せんぱ~~~~~~い!!!!!!!」
なんだろう、この既視感は。
荒垣はそう思いつつ、周囲の視線に被っていたニット帽を引き下げる。
(・・・なんで学習しないんだ、あの馬鹿は)
色濃く落ちた帽子の影から覗く瞳は、呆れの色を濃く滲ませて道路の向こうを見つめる。
そこには、大きく手を振りながら、信号と自分を忙しなく交互に見つめる"彼女"の姿。
ため息一つ見つめていれば、青になったと同時に全力で駆けて来る透流。
その姿に、荒垣の顔にはこぼれた息とは裏腹な表情が浮かぶ。
「はぁはぁ・・・先輩・・・どっかいくんですか?」
軽くあがった息を整えながら、聞いてくる彼女に荒垣は苦笑を浮かべる。
全力で走んなくてもいいだろと軽くその背をさすってやれば、だってとその頬をぷくりと膨らませる。
「ちと、買い物にな。くるか?」
週末用の食材の買出しにいくつもりだったと言えば、透流の目が途端精彩を放つ。
膨れていたはずの頬はいつのまにか期待に色づいている。
現金なヤツめとその頭を軽く小突けば、ぺろりと舌を出して早速食べたい物を指折り数えはじめた。
ふと、彼女の視線が折られた指の向こうを見つめる。
1年前と同じように、しかし、あの時とは違う人々が行き交う交叉点。
「人生は、交叉点・・・か」
荒垣がぽつりと呟けば、驚いたように透流が見上げてきた。
「先輩、覚えてたんですか?」
「忘れっかよ」
その言葉に、照れたように俯く彼女が可愛いと思う。
「あの時の"今"はもう"過去"で、だけどちゃんとそれが繋がって今日が来て、今度はこれからの"未来"になるんですね」
えへへと笑って見上げてくる透流に、荒垣は目を細める。
あの時に伸ばす事の出来なかった手を、今なら伸ばす事が出来る。
「先輩?」
華奢な体躯をその腕でからめとり、荒垣はその額に唇を落とす。
真っ赤になってあわあわしている彼女にふっと笑みを浮かべると、その手をとって駅への道を歩き出す。
「続きは寮に帰ってからな」
囁くように耳元で告げれば、答えはただ、繋いだ手から・・・・
交叉点
それはアナタと出逢う場所
それはアナタと別れる場所
そして一緒に・・・・歩き始めるそんな場所
∞――――――――――――――――――――――――∞
両生存の場合、ガキさんはやる人です(何をかは聞かないでw)
捏造なんだから、イチャコラしたっていいじゃない!!
そんな思いのたけを書いて見ました。
それはアナタと出逢う場所
それはアナタと別れる場所
そして一緒に・・・・歩き始めるそんな場所
∞――――――――――――――――――――――――∞
両生存の場合、ガキさんはやる人です(何をかは聞かないでw)
捏造なんだから、イチャコラしたっていいじゃない!!
そんな思いのたけを書いて見ました。