文章書くの久しぶりすぎて・・・・リハビリ兼ねてます。
なので、色々おかしいです。
一応荒ハムで、9月始め位の頃のお話です。
甘く・・ないです。
あぁ、もっと上手く文章書きたいわ!!!
なので、色々おかしいです。
一応荒ハムで、9月始め位の頃のお話です。
甘く・・ないです。
あぁ、もっと上手く文章書きたいわ!!!
∞――――――――――――――――――――――――∞
そこは、俺にとっては地獄でしか無かった。
行きたいと思った事など一度だって無い。
それなのに、何かが俺を呼んで離さない。
そして俺は、それから逃れられない。
そう、それこそが、俺の罪だから。
行きたいと思った事など一度だって無い。
それなのに、何かが俺を呼んで離さない。
そして俺は、それから逃れられない。
そう、それこそが、俺の罪だから。
∞―――――――――∞ 稀人 ∞―――――――――∞
「おい、あの子って・・・アレじゃね?」
「あ~、噂のツキ高の子?」
その声が荒垣の耳に飛び込んできたのは、一重に偶然でしかなかった。
その日も、荒垣は何をするでもなく、足が向いた裏路地の奥で、
狭い通路の壁に背中を預けていた。
空は朱に染まり始め、宵闇が訪れるのも間もなくと言う頃合である。
荒垣は数日前から巌戸台分寮に戻っていた。
それは荒垣自身、やるべき事ができたからだ。
否、それだけが今の全てと言ってもよかった。
自分が犯した罪の清算、そのためだけの日々。
だが、夜はそのために寮にいる事はできたが、昼間はそうはいかなかった。
断罪者が不在の寮は、自分の居場所では無い気がしていたからだ。
そうして気がつけば、毎日この裏路地で時間を過ごしていた。
それは荒垣にとって呪縛であり、望むと望まざるとにかかわらず、
吸い寄せられる流刑地と同じだった。
そんな時、その会話が聞こえてきたのだった。
「へ~~。写真よりいけてんジャン」
「んじゃ、今日はあの子に遊んでもらうっつ~のでどうだ?」
「ぎゃははは、それいいわ!ついでに写メとってさ・・・」
見たような、見ないような・・覚える気も無い男達の会話だったが、
"ツキ高"と言う単語に、何故か荒垣の頭に一人の"少女"の姿が浮かんだ。
そんな自分の想像に、まさかと苦笑しながら、男達の視線の先を眺めやれば・・・
眩暈がした。
それこそ「嘘だろう?」と言いたくなる自分がいる。
見間違いであることに期待しながら、もう一度確認をするのだが、
悲しいかなそこにいたのは、どうしたって想像した通りの"少女"の姿だった。
裏路地の入り口の少し開けた場所、
その隅で、しゃがみこんでいる"少女"。
それは紛れもなく、S.E.E.Sにおける"リーダー"の姿だった。
(もう来んなって言っただろうが・・・・)
荒垣は苦虫を噛み潰したように渋面を作ると、ゆらりとその背を壁から離した。
「お前、後ろから回りこんどけよ」
「折角のおもちゃだもんなぁ、逃げられちゃワラえね~よなぁ。ぎゃはははは」
「子猫ちゃん捕獲作戦なんつって・・・」
「っせぇなぁ」
下卑た笑いを浮かべながら、今にも通路から出て行こうとしていた男達が、
酷く静かな、しかし底冷えするようなその声音に一斉に振り返った。
「あ?」
「なんだ、てめぇ」
両手を無造作にポケットに突っ込み、ゆっくりと男達に近づきながら、
荒垣は面倒くさそうに口を開く。
「うるせぇっつったんだ、聞こえなかったか?」
折角の余興に水をさされた苛立ちと、荒垣の態度への怒りを隠しもせず、
男達が荒垣を取り囲む。
(3人か)
荒垣はなんのけれんもなく右手をポケットから出すと、すぐ脇の排気ダクトに軽く触れる。
その間にも、男達はじわじわと距離を縮めてきた。
「なんだよ、あんたも一緒に遊びたいってわけ~?」
「それとも何か?アノ子あんたの知り合いなワケ?ヒャはは」
「それ、オモシレーじゃん、一緒ににゃんにゃ」
ガコッ
「何度も言わすな・・・うるせぇんだよ」
余興の前の前哨戦とでも思っていたのか、ニヤついた笑みを口に浮かべた男達。
その男達の言葉をさえぎって、荒垣は抑揚の無い声で吐き捨てていた。
その右手は、排気ダクトを変形させ、今もその錆びの浮いた金属面がメキメキと嫌な悲鳴をあげつつ歪んでいく。
いつの間にか、男達の口は沈黙し、荒垣とダクトを交互に見つめるだけになる。
「・・・失せろ」
荒垣が冷たい視線で男達を射抜いた時、すべては決着していた。
聞く気が無いため、何を言っているのかは分からなかったが、
男達が何かしらを喚きながら通路の奥に走っていく。
その姿を尻目に、荒垣は再びコートのポケットに手を突っ込むと、
ゆっくりと裏路地の入り口に向かって歩き出した。
「おいしい?」
「ニャーン」
痩せ細り、汚れた斑模様の野良猫が、必死に猫缶に頭を突っ込んでいる。
そんな足元の猫を見やりながら、"少女"はおおよそこの場には似つかわしく無い笑みを浮かべた。
「昨日よりは元気になった?触っても良いかな?」
必死に餌を食べている猫に、"少女"がゆっくりと手を伸ばす。
(何やってんだ?あのバカ)
荒垣が近付くより早く、猫はその毛を逆立てて"少女"の手に鋭い爪を走らせた。
「フーーーーーーー!!」
「っつ・・・ごめんごめん、もう触らないから・・だから、ちゃんとご飯食べて?ね?」
手の甲に赤い筋が引かれた事よりも、猫の方を気遣う姿に、
荒垣はムッとした表情を浮かべたまま"少女"を見下ろした。
「・・・ここで何してる?」
「え?猫に餌をあげてるんですよ~・・・・って、先輩!?」
裏路地で交わされる会話とは思えないほど、あっけらかんと答えた"少女"だったが
振り向いた先に荒垣の姿を認めると、見事にフリーズした。
「あ、あのですね。えっとですね・・・」
「もう来んなっつったよな?」
しどろもどろに弁解をしようとする言葉を遮り、問いかけるような口調で見つめれば、
"少女"は「そうだ!」とばかりに見上げてきた。
「だ、だから夜になる前にちゃんと帰りますよ!!」
「誰が夜限定っつったんだよ・・・勝手に解釈するんじゃねぇ」
いかにも、「今思いつきました!」と言わんばかりの"少女"に呆れながら、
荒垣はその頭を軽く小突く。
「昼でもダメだ、ここはおめぇみたいのが来る場所じゃねぇんだ」
「で、でも・・・猫に餌をあげてくれって頼まれたんです」
頭を押さえて、恨めしそうにこちらを見る"少女"に、
荒垣はやれやれと、呆れ顔を浮かべた。
「女一人にこんな場所の野良猫の餌やり頼むだと?ソイツ正気か?」
「で、でも・・・その人は外に出れない事情があって、
それに、私いつもお世話になってるから、力になれたらって」
「何より・・・可愛そうじゃ無いですか・・・その子」
"少女"がその子といった野良猫は、先ほどその爪を立てた事など忘れたように
再び猫缶に顔を突っ込んでそ知らぬ顔をしている。
そんな猫に、"少女"はふわりとした笑みを浮かべて「美味しい?」と問いかけている。
荒垣は、これは何かの冗談だろうかと思わずにはいられなかった。
しかし、それが目の前の"少女"の起こす冗談ならば、
それはそれで、何故か妙に納得がいってしまうことにも少なからず気づいていた。
「はぁ・・・・餌なら俺が変わりにやってやる。それでいいだろ? おめぇはもう来んな」
ため息交じりの荒垣の言葉に、「えっ!」と驚いた表情で"少女"が振り返った。
しかし、何事かを思案した後、静かにかぶりを振った。
「ダメです。これは私が頼まれた事ですから。私がちゃんと見届けないといけないんです」
「お前な・・・・」
「お願いです。せめて元気になるまででいいんです。後3日。ううん2日でいいですから!」
たかだか猫の餌やりだろうと思う荒垣に反して、"少女"は必死に食い下がってきた。
まるで、それが自分より大事だとでも言わんばかりに・・・・。
荒垣は、それこそ何度目になるか分からないため息をつきながら、
少女の頭をポンポンと叩いた。
「わかった・・・・・・携帯かせ」
「・・・?」
疑問符だらけの顔で小首を傾げる"少女"に、荒垣はもう一度同じ言葉を口にする。
「携帯だ、持ってんだろ?貸してみろ」
「あ、はい」
ようやく言葉の意味を理解した"少女"は、カバンからピンク色のソレを取り出すと、
荒垣に向かってニコニコと差し出した。
荒垣は、苦笑を浮かべて受け取ると、今度はその可愛らしい携帯で彼女の額をコツンと叩いた。
「おめぇ・・・もうちょっと警戒心とか持てって」
「??」
何を言われているのか分からないといった"少女"を横目に、
荒垣は素早くボタンを操作すると、再び彼女にソレを返す。
「ほらよ」
「・・・先輩?この番号・・・」
返って来たソレの液晶画面を呆然と見つめる"少女"を、
荒垣は仕方ないといった口調で見下ろした。
「あと2日でいいんだな?・・・・そん時は俺を呼べ」
「!!」
ただでさえ大きな目を、更に大きくしてこちらを見上げる"少女"に
荒垣は僅かに微笑む。
「"リーダー様"に何かあったら、あいつらがうるせぇからな」
「あ~、ただし、昼間だけだぞ。夜遅くなったら諦めろ。それでいいな?」
念を押すように"少女"を見れば、途端にその目をキラキラと輝かせ、
大きくそして晴やかに頷くのだった。
「はい!!」
その姿はまるで、この呪縛に満ちた場所に迷い込んだ「稀人」のようだった。
∞――――――――――――――――――――――――∞
そこは、俺にとっては地獄でしか無い場所だった。
行きたいと思った事など一度だって無い。
それなのに、何かが俺を呼んで離さない。
そして俺は、それから逃れられない。
そんな俺が・・・・・
初めて自分からその場所へ行こうと
そう思った
∞――――――――――――――――――――――――∞
意味など無い蛇足(イチャこらが書きたかっただけ)
「んじゃ、帰るか」
「はい!」
猫缶をきれいにたいらげ、すっかり満足顔の野良猫を見届けると、
荒垣は"少女"を促した。
"少女"はニコニコと微笑みながら、大事そうに携帯をカバンにしまい込んでいる。
(・・・変わった女だな)
荒垣は、空になった缶を拾おうと右手を伸ばしたが、
僅かに違和感を感じて動きを止めた。
その手を返して見れば、小さな傷がいくつか見て取れた。
先ほど、排気ダクトのササクレで出来た傷のようだ。
「先輩、どうかしたんですか?」
動きを止めた荒垣を、"少女"が後から覗きこんでいた。
「怪我したんですか!?」
その手の平を見て声を上げる"少女"に、荒垣は軽く手を振る。
「怪我って程のもんじゃねぇよ」
「だめですよ!ちゃんと消毒しないと!!」
そうまくし立てる"少女"に、いっそ半分はお前の所為だと言ってやろうかと思ったりもしたが、その言葉を飲み込んで、今度こそ缶を拾う。
「そういうお前だって、さっき引っかかれてたじゃねぇか」
「あ、あれは愛情の裏返しです!!」
「意味わかんねーよ」
何故か拳を振り上げて熱弁をふるう"少女"がおかしくて、
荒垣の口元が緩む。
「あ、今先輩笑いましたね?」
「あぁ?」
どうでもいい所は妙に目ざとい"少女"に、荒垣はニット帽を下げながら背を向けて歩き出す。
「えへへ。レアモノげっとですよ~♪」
「・・・バカ言ってんじゃねぇ、帰るぞ」
パタパタと走りよってくる気配を感じながら、それとなく歩調を緩めて道の先を見やる。
「待ってください。あ、先輩!!帰りにコンビによりましょう!!アイス買いたいです」
「・・・ガキが。置いてくぞ」
既に朱焼けが過ぎようとしている空の下、今は"帰るべき場所"への道のりを、
二つの影が並んではその色を宵闇に溶かして消えた。
∞――――――――――――――――――――――――∞
とりあえず、ガキさんそれは器物破損です。(お前が書いたんだろうと小一時間)