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ここは、「Luftleitbahnen」の別館です。
Fan Fiction Novel-二次創作小説-を置いてあります。
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泣いても笑ってもの最終話です。
さて、今回泣いたのは?w

トリック or トリート

甘いお菓子よりも、いたずらの夜があってもいいじゃない?ъ(`ー゜)
そんな、一夜のお話。
楽しんでいただけましたでしょうか!!
私は狂喜乱舞しましたけどね!(*´Д`*)

acqua様、本当にありがとうございました!!!!!!!!!

acqua様のサイトはこちら -acquaのネタ帳!!


∞―――――――――∞ Halloween Night 最終話  ∞―――――――――∞
 



パレードの始まっていた遊園地の上空に俄かに暗雲が立ち込め、凄まじい勢いで渦巻き始めた。
そして…激しい雷鳴と共に、雨が降り始めた。

パレードは中断し、そしてそれを見ていた客達は慌てて建物の中に避難した。
青白く世界を染め上げ、この世の終わりを告げるかのような雷鳴の中、アイギスは空を見上げていた。
その様子に何かを感じたらしい風花が、目を閉じ、感覚を研ぎ澄ませる。

しばらく、何かを考えるようにしていた風花がぱちっと音をたてて目を開いた時、雨は一段とその強さを増し、そして光がそこに居た人間全員の目を焼かんばかりに、その場を満たした。

「アイギス、ゆかりちゃん、あっち」

風花が告げると、二人は頷き合い、そして雨の中飛び出した。

「風花さん」
「300m先の林…」
「了解です。先に向かいます!」

風花の言葉に頷くと、アイギスは空気を引き裂くような音を響かせ駆け出した。

「風花ぁ、透流の気配だよね?」
「うん。上空から…落ちてきてる」
「いくらハロウィンだって言っても…いたずらにも程があるよ…」

走りながら、ゆかりと風花はそろってため息を吐いた。

「下は…林か。風でも起こせる様な…魔法が使えりゃよかったんだが…」

生憎俺が使えるのは物理系のスキルだからな…。

刻々と近づいてくる地上。
降り出した雨と雷鳴の中、林の中に人はいないだろう。

そう思った時だった。何かがきらりと光った。

「…アイギスか?」

荒垣は、アイギスを見つめた。
アイギスも、こちらに気付き、顔を上げた。

視線が、交錯したと感じた瞬間、荒垣はカストールを喚んだ。

「ゴッドハンド!!」

アイギスに向け、放たれた瞬間、アイギスもペルソナを喚び出していた。

「ゴッドハンド!!」

互いに向け放たれたそれは、真正面からぶつかった。
衝撃波が、林を揺るがす。

突風が園内を駆け抜け、建物の窓という窓を綺麗に破壊した。

衝撃波を受けた荒垣と透流は、空中で、まるで急ブレーキをかけたかのように急激に速度を緩めた。
荒垣が咄嗟に身体を返して透流を庇い、衝撃波を受け止めた瞬間、青い衣装が裂け、鮮血が散る。

「くそ…っ」

アイギスは、二人を受け止めるべく真下へとまわりこむが、依然、二人は林の上空に在り、そのまま落ちれば庇われている彼女はともかく、荒垣は命にかかわる衝撃を受けるだろう事が予想された。
咄嗟に衝撃で二人に加わる力を計算したアイギスは、木の上へと跳び上がった。

落ちてくる瞬間、二人を受け止めつつ、衝撃を緩めるしかないと判断したのだ。
一瞬のタイミングのずれが、二人の命にかかわる。

アイギスは、じっと二人を睨みつけ、タイミングをはかっていた。

落ちながら、荒垣はアイギスがやろうとしている事に気付いた。
とりあえず彼女をアイギスに託せればそれでいい。

そんな事を考えながら、ざっと周りを見渡す。
と、林の手前をゆかりと風花が走っているのが見えた。

荒垣は、風花とのコンタクトを試みる。
全ては伝えられなくても、意図さえ分かれば何とかなる気がした。

ずしりと重さを増した召喚器を再びこめかみへとあてがう。

「頼む…!!」

気力を振り絞り、荒垣は相棒を召喚した。

空が青白く瞬き、微かに薄氷が割れるような音が同時に響く。

風花とゆかりが空を見上げると、黒い点が見え、そして懐かしい青い輝きがその背後にあるのが見えた。
その青は急激に降下し、二人の遥か頭上を舞うと消えた。

「ゆかりちゃん、避けて!!」

風花の言葉に、ゆかりは林へと身を躍らせた。

ズシ、と重い音が響いて何かが土にめり込む。

二人が慌てて駆け寄ると、そこには鈍色の銃が埋まっていた。

「召喚器… て事は、あれ…」
「ゆかりちゃん…! 荒垣先輩と透流ちゃんです…!!」

「ゆかりさん!!」

ゆかりが召喚器を手にした時、アイギスが走ってきた。

「お願いです、ゆかりさん、風を起こして二人の落下速度を緩めて下さい。
あのままでは、私が受け止めた瞬間に、荒垣さんをつぶしてしまいかねません」
「で…でも、私そういう魔法の使い方したことないよ…!!」
「大丈夫です。私の言うタイミングで、指示した場所に仕掛けて下されば…後は私が受け止めます!」
「で…でも…!」
「このままではお二人の命は保証できません!例え怪我をしても魔法で出来た傷なら魔法で治せます。
でも現実の何かで傷ついた場合、魔法は殆ど効かない…だから、お願いです!」
「ゆかりちゃん…!」

アイギスと風花が、祈るような眼でゆかりを見つめる。
ゆかりは、二人の視線を受け、静かに目を閉じた。
一つ、大きな息を吐く。

そして目を開いた時、そこには決意の色があった。

「分かった。やってみる」

ゆかりと風花、そしてアイギスの三人は林の中へ飛び込んだ。
大粒の雨が叩きつける中、三人は慎重に場所を決める。

そして、アイギスは再び木の上へと跳躍した。

落下し続ける荒垣は、彼女を抱きかかえ、青白い光に浮かび上がるアイギスの金髪を見つめていた。
微かに、風花の気配を感じる。

多分、召喚器は今、ゆかりの手の中にあるだろう。
そう信じて、しっかと目を見開く。

アイギスが、木の上で手を上げた。

そして、その手が振りおろされた瞬間、青白い光が林を満たした。
荒垣は、目を庇いながらも、その瞬間に備えた。


そして…
強風にあおられ、裂かれながら、彼女を腕の中に庇う。
風が、強く吹きつけ、落下速度が徐々に遅くなり、そして…何かに強く引っ張られた。

それが、アイギスの手だと気付いた時には、地面に降ろされていた。

「荒垣さん、無事ですか?」

アイギスの声に、荒垣は、ああ、と一言だけ答える。
彼女も、外傷は殆ど見られず、ただ眠っているだけの様だとアイギスはほっとしたように呟いた。

荒垣の服は無残にも裂けて、背中には無数の傷があったが、幸いそれ程深くはなかった。
四人はなるべく目立たないように、更衣室へ向かうと、身体を拭いてさっさと服を着替えた。
荒垣と彼女の服は見るも無残な状態であったが、ウチの衣装じゃないと言われ、結局弁償するなどの費用は発生しなかった。

ただ、荒垣の疲労は思った以上に酷く、何とか遊園地のある山から、駅の近くに在るホテルの駐車場までは移動したものの、長時間の運転は良くないだろうとのアイギスの判断により、透流を除く全員が電車で帰る事になった。

「じゃあ、先輩無理しないで下さいね」
「…ああ」
「二人の欠席の理由は、定期健診という事で連絡しておきますから。一応、美鶴先輩にもメールしておいたんで、手は回してくれるんじゃないかな」
「うん、ありがと、ゆかり」
「荒垣さん、透流さんをよろしくお願いします」
「逆だろうが…」

アイギスの囁きに、荒垣は苦笑する。

「荒垣さーん、マジ、気を付けて!」

順平はそういうとひらひらと手を振ってよこした。
駅へと向かう仲間達を見送り、彼女と荒垣はホテルへと入る。

とりあえず下着の替えと、必要なものだけを買いそろえて部屋へと入ると、荒垣はベッドにごろりと横たわった。

「悪い…俺はもう休ませてもらう」
「大丈夫ですか?」
「傷口は…まぁ魔法で出来た傷だからな…ふさがったけど疲労まで回復はしてくれねえからな…。
影時間以外でペルソナを呼ぶのは…必要以上に疲れるらしい…」
「…先輩、ゴメンなさい…私が気絶しちゃったばかりに…」
「……」
「先輩?」

透流が振り返ると、荒垣は目を閉じていた。
近づくと、微かに寝息が聞こえる。

疲労の為か、眠ってしまったようだ。

「…折角二人きりなのにな…」

透流は、荒垣に顔を寄せ、そっと…唇を重ねた。


∞――――――――――――――――――――――――∞
トラブルはハム子と共に!!
えぇ、そうですとも、ハム子の行くところトラブルありですw
先輩にはちょっとばかりトリックが度を過ぎたハロウィンでしたが
これはこれで、中々できない思い出にwww

acqua様~~ありがとうございました!!!<(_ _)>
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